今から3年前の2014年春、ある男はたったひとりで北極点を目指していた。過去20年の間に、誰も成功しえなかった北極点無補給単独徒歩での踏破。その男、荻田泰永(おぎた やすなが)は冒険開始から44日目にして途中撤退を決断。13回目の北極徒歩遠征の冒険の幕を閉じた。
この時、日本国内では彼の挑戦を知るものはほとんどいなかった。だが、それから現在に至るまでの間に、テレビ出演を果たしたことで、彼の冒険を応援する人が増え、再び挑戦の機会を得ることとなった。今回目指す先は南。そう、南極点に向けて、無補給単独徒歩を始めるのである。