2017年10月はじめに、加熱式たばこ「glo(グロー)」の全国発売が開始となった。今後、業界を先行する「iQOS(アイコス)」を猛追する構えだ。そして販売面で遅れをとる「Ploom TECH(プルームテック)」もまた、これから巻き返してくることだろう。

結局この3つのどれが一番良いのか? いや、これらだけでなく、このほかに販売されている電子たばこ(VAPE)も含めて、何がもっとも良いものなのか? それを確かめるために、一通り製品を揃えて吸い比べた結果! ……何がなんだかわからなくなった。気が付けば「ケムリ」の沼にハマっていた……。

・7製品を比較

今回比較するのは、iQOS、glo、Ploom TECHの3製品に加えて、iQOSの互換製品「アイバディー」、VAPE2製品。それから「ヴェポライザー」と呼ばれる喫煙具の合計7製品である。私(佐藤)が個人的に感じた、それぞれのメリットとデメリットについてお伝えしよう。


・iQOS(アイコス)

紙巻きたばこの人が加熱式たばこに乗り換えるときに、多くの人が最初に試しがちなのがアイコス。本体(バッテリー)とホルダーの2つのパーツで構成さえており、ホルダーにヒートスティックを挿入して喫煙する。

【メリット】

・ヒートスティックが一般的な紙巻きたばこと同じサイズなので、吸い口がフィットする
・販売開始当初よりも製造が安定してきて、比較的ラクに入手できるようになった
・ヒートスティックはコンビニで購入可能

【デメリット】

・本体のフタが壊れやすい
・フタが壊れるとホルダーの充電ができない場合がある
・カスタマーサービスが、ユーザー拡大に追いついていない
・専用サイトにログインできない不具合が頻発している
・ホルダーの掃除が割と手間
・1本吸うたびにホルダーを充電しないといけない


・glo(グロー)

10月2日に全国販売を開始したグロー。本体に挿入して喫煙するネオスティックは、現在仙台限定の4銘柄を含めて全8銘柄販売している。

【メリット】

・アイコスのように1本吸うごとに充電する必要がなく、連続喫煙が可能
・つくりがシンプルなので、掃除が楽
・ネオスティックの銘柄が豊富で、選ぶ楽しみがある

【デメリット】

・ネオスティックのレギュラーフレーバーにクセがあり、若干きな粉臭い
・銘柄は豊富だが、メンソールに偏りすぎ


・Ploom TECH(プルームテック)

アイコス・グローとは加熱方式が異なり、VAPEと似た方式を採用しているプルームテック。ただし、VAPEがリキッドを使用するのに対し、プルームテックは専用のカプセルを使用する。

【メリット】

・本体はペン1本分のサイズで邪魔にならない
・掃除の手間がいらない
・とにかく扱いが楽で、1口吸ってやめることもできる
・たばこ臭がほとんどしない
・壊れにくい

【デメリット】

・他の2製品に比べて、吸っている感覚が乏しい
・50回吸ってカプセルを交換するのだが、そのタイミングがよくわからない


・iBuddy(アイバディー)

アイコスの互換製品「アイバディ―」。手のひらにすっぽりとおさまる小さなサイズで、アイコスのヒートスティックを挿入して使用する。販売価格は8900円だ。

【メリット】

・本体とヒートスティック加熱部分が一体となっているので吸いやすい
・連続喫煙が可能
・アイコスよりサイズが小さい

【デメリット】

・連続して2本目を喫煙すると、本体が熱くなる
・加熱温度も高くなっているため、味が若干変わる
・アイコスと比べると、味が多少弱い印象も


・VAPE(ベイプ 電子たばこ、20ワット)

液体リキッドを加熱して使用するVAPE。日本国内で販売している液体リキッドにはニコチンが含まれていないため、厳密にはたばこではない。今回紹介しているのはVAPE JAPANというメーカーのスターターキット(Stylish Slim)だ。

このメーカーに限らず、オリジナルのスターターキットの販売しているメーカーが多いので、VAPEの使用を検討している人はご参考に。

【メリット】

・プルームテックと同じように、1口でやめることができる
・リキッドのバリエーションが豊富
・リキッドをブレンドすれば、自分好みのオリジナルフレーバーを楽しむことができる
・ヒートスティックのようなものを必要としないので、加熱式たばこ3製品よりも経済的(ただし使用頻度による)

【デメリット】

・ニコチンが含まれていないから、物足りない感じは否めない
・ヘビースモーカーが乗り換えるには、ちょっと厳しい
・2~3週間程度で内部のコイルを交換する必要がある


・VAPE(ベイプ 電子たばこ、最高出力80ワットまで変更可能)

20ワットの製品とは比べものにならないほど煙が出るこちらは、VEPORESSOというメーカーの「Tarot Nano」。最高出力80ワットまで対応可能だ。吐き出す煙で輪っかを作るなどの「VAPE TRICK」に挑戦するのもアリ。

【メリット】

・出力が高いほど煙が出る
・煙の量が多いほど味を強く感じる

【デメリット】

・あまりにも高い出力で吸い込むと、喉を痛めかねない
・慣れないうちは、高い出力が仇になる場合も
・いろいろな味を求めてリキッド(1本2000~3000円)を買いすぎると、余計な出費がかさむ


・Vaporizer(ヴェポライザー)

ヴェポライザーとは、乾燥したたばこ葉を「チェンバー」と呼ばれる部分に入れて加熱し、蒸気を吸引する喫煙具。今回紹介するのは、AIRIS TECH というメーカーのサーモスタット式ハーバルヴェポライザーだ。

この製品は、セラミックのチェンバーにたばこ葉を入れて使用する。

149度から224度まで、1度単位で温度設定できることが特徴。

【メリット】

・市販の紙巻きたばこをカットして喫煙できる(ちなみに1本の紙巻きたばこで、3本分の喫煙ができる)
・手巻きたばこの葉を入れることができる
・葉をブレンドして、自分好みの味を楽しめる。

【デメリット】

・良くも悪くもフィルターがないので、かなりキツく感じる


・製品比較をした結果!

以上がそれぞれの製品のメリット・デメリットである。これらを吸い比べ、私がたどり着いた結論は!!


もう何が何だかわからない……。それぞれ良いところがあり、悪いところもある。どれも、一長一短としか言いようがない。ケムリ沼に完全にハマってしまった状態だ。

という訳で、皆さんも私のようにならないように注意して欲しい。なお、「禁煙しろ」という指摘は無用である。

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24