銭湯や温泉は心と身体を癒してくれる最高のリラクゼーションだ。しかし、自分さえ気持ち良くなれば良い訳ではない。お互いに裸なのだから、マナーやモラルをわきまえる必要がある。

にもかかわらず、自分さえ良ければと思われる行動をとる人も少なくない。桶や椅子を片付けなかったり、かけ湯をしないまま湯船に入ったり……。なかには、湯船で○○をする人までいるから驚きだ。これって非常識じゃないの?

・昔は誰もが知っていた

昔と比べると、現在は風呂なしアパートが少なくなった。新築であれば、ユニットバスであったとしても風呂があるのが当たり前。したがって、銭湯を利用する頻度も昔よりグッと減ってきているだろう。年に数回、旅行先の大浴場に入る程度なんて人も少なくないはず。

そうなると、以前は当たり前だった銭湯でのマナーを知らない人が増えるのも仕方がないこと。「かけ湯」という言葉さえも知らないかもしれない。

・かけ湯は自分にとっても意味がある

念のために説明しておくと、かけ湯とは、湯船に入る前に身体を流すこと。シャワーのあるところなら、シャワーを浴びても良い。これは、汚れた身体で湯船を汚さないためだ。もうひとつ、突然熱い風呂に入ると、身体に大きな負担がかかる。身体を温める意味でもかけ湯は重要だ。

・タオルや髪は湯船につけない

また、湯船にタオルや髪をつけることも、マナー上よくないとされている。タオルはお湯を汚す可能性がある。髪もまたフケやホコリでお湯を汚してしまう恐れがあるから、湯船につけるべきではない。何より、抜け毛が浮かんでいるお湯につかるのは、誰にとっても気持ちの良いものではないだろう。

これらは銭湯を利用する人にとって、暗黙の了解みたいなところがある。それを知らずに利用していると、場所によっては注意されることがあるかもしれない。

・○○とは「突然潜水する人」!

さて、そんな銭湯のマナーを踏まえたうえで、私(佐藤)が最近遭遇した人物は、思ってもみない行動に出た。私が湯船につかっていると、隣の浴槽にいた男性は、突然潜水したのだ。そう、湯船のなかに頭まで潜ってしまったのである。

先にも挙げたように、髪を湯につけるのは良くないとされている。また場所によっては、「湯船で顔を洗わないでください」と貼り紙しているほど。髪と同じく、顔をつけるのも好まれない。

そもそも、「誰が入ったのかわからないお湯に、よく顔をつけるな」と私は思ってしまう。頭の先まで潜ること自体、信じられなかった。だがその人物は、水風呂でもやはり頭まで潜ってしまっていた。あまりの衝撃にギョッとして二度見したほどである。

・前を隠す問題で議論も

ところで、最近ネット上で「男性は入浴時に股間をタオルで隠すべきか?」というのが議論になっていた。隠す隠さないで激しく意見が割れていたのだが、潜る点については皆さんはどう思うのだろうか?

いずれにしても、お互い裸で利用する場所なのだから、ほかの人への配慮や気遣いは必要だと思う。自分だけ気持ち良く過ごせればいいという訳ではない。

執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24