同時代のギラギラした、または奇抜な作家たちの中では、それほど目立った存在ではないかもしれません。それでも、誰にでも理解できる言葉を使って誰にも表現できない世界を構築しているのが、梶井基次郎という男だ……と私(K.Masami)は思っています。
要するに文章が好みなんです。中でも『檸檬』が好きなんです。あんな武骨なナリで、何故そんなにも儚く美しい物語を紡げるんですか。羨ましいこと、この上ありません。3月24日は彼の命日ということで改めて『檸檬』を読み返したところ、ここにきてまた新たな魅力を発見してしまったので聞いてください。