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もういくつ寝なくとも正月がやって来る。自慢ではないが、記者は年越しの準備を何一つできていない。掃除はしていないし、おせちも作っていない。仕方がない、せめて雑煮を食べよう! 郷に入っては郷に従えと言うので、せっかくだ。記者が暮らす奈良県の雑煮を作ろうではないか。

関西と言えば白味噌である。奈良県では、合わせ味噌派と白味噌派の2つが主流のようだ。そして、忘れてはならないのが「きな粉」。奈良の雑煮に、きな粉は必須なのだ。雑煮にきな粉とは、一体全体どういうことだろうか。実際に作ってみたので、以下をご覧あれ!! 

・雑煮から取り出した餅をきな粉につける

家庭の味とはよく言ったものだが、食事は家や地域で違うものだ。お正月に食べる雑煮なんて、それはもう違いが顕著に表れる。奈良県では、多くの家庭で白味噌の出汁に焼いた丸餅、金時ニンジンや大根、里芋などを入れる。うんうん、いいよいいよー美味しそうだよー。……ところが!

ちょっと違う方向に行くのが奈良県スタイル。なんと餅を汁から取り出してきな粉をつけて食べるのである! 理由はよくわからないが、奈良の一部の地域では “きな粉餅” ではなく、そういった食べ方をするそうな。ナニソレ。はじめから、きな粉餅食べればいいような気もするが……

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・実際にやってみた

ある奈良県民曰く「白味噌の甘じょっぱさと、きな粉のまったりとした甘みのコンビネーションが最高」とのこと。他県から住み着いた記者にとっては不思議でならない。よくわからないので、実際に試してみることにした。まずは出汁を取って白味噌をとき、餅や具材を入れ雑煮を作る。

問題はここから。餅を取り出し、きな粉の中にダイブ! 出汁が餅にまとわり付いているので、きな粉がよく絡みつく。恐る恐る食べてみると……「きな粉餅だなコレ」。白味噌の甘みがプラスされて、コクが増しているような気もする。がしかし、当然のことながら、所謂(いわゆる)きな粉餅の味がした。

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果たしてワザワザ出汁から取り出して、きな粉をつける意味はあるのか。豆製品には「魔を滅する」という意味があるので、もしかすると病気を防ぐなどの意味があるのかもしれない。ただ単に、きな粉餅を作るのが面倒なだけだったのかもしれないが。気になった人は正月に試してみてはいかがだろう。

Report:K.Masami
Photo:Rocketnews24.