いまだかつて、これほどまでに「地獄」という言葉が相応しいバンドがいただろうか? いや、いないはずである。おそらくこの先も、彼らを凌ぐ地獄のバンドは現れることはないだろう。なぜなら、日本の音楽界にあって強烈な異彩を放ち、25年もの長きにわたって活動してきた2つのバンドが1つになったからだ。
巨大な大きな渦が重なりあって、さらに大きな渦になる。そんな緊張と恐怖、偉大さと高揚感に満ち満ちている。「筋肉少女帯人間椅子」とは、一口に名状しがたい大きな渦だ。巨大な混沌なるうねりは観客を巻き込み、2015年6月7日東京・渋谷公会堂を文字通りに揺らした。ダークサイドの面々は、爽やかならざる雄たけびを上げ、「アロハオエ!」と夏の兆しを届けたのである。