人は死ねばお山に行く──古くから土地の人々にそう信じられている場所がある。青森県の「恐山(おそれざん)」だ。
「日本三大霊場」「あの世にもっとも近い場所」などとも呼ばれ、死者の口寄せを行う巫女「イタコ」でも知られる。東日本最強パワースポットと言っても過言ではないだろう。
しかし本州最果ての下北半島に位置し、新幹線や飛行機の発着する主要都市からも遠く、その知名度に比較すると到達困難な秘境でもある。筆者の住む地からもめちゃくちゃ遠いのだが、なんだか急に「行かなくちゃ」という思いにかられて数十年ぶりに訪問したのでレポートしたい。