
青森県津軽郡。石川さゆりさんの代表曲・津軽海峡冬景色の舞台でもある『竜飛岬』には、観光名所になっている変わった道路がある。
──いや、この場合「道路」と呼ぶのは相応しくないかもしれない。
なぜなら国道339号線は、国道であるにも関わらず、車やバイクが一切通れない階段なのだから! 道そのものはもちろん、周りの風景にも衝撃を受けること間違いなしだぜ!!
・ごらんあれが竜飛岬♪
演歌にあまり詳しくない筆者ですら知っている名曲中の名曲、津軽海峡冬景色。その歌詞に「ごらんあれが竜飛岬 北のはずれと」というフレーズがある。
今筆者が立っているこの場所が、竜飛岬。
海の奥に遠く見える山々は北海道である。まさに本州の北のはずれにあたる場所だな。
ちなみに歌詞では「たっぴみさき」となっているが、ここは「龍飛崎(たっぴざき)」ともいうらしい。「たっぴみさき」の方がゴロや響きが良いことから採用されたという噂だ。
──そんな美しくもどこか寂しげな印象がある竜飛岬に、日本で唯一の変わった道があるのをご存じだろうか。
国道339号線、通称『階段国道』。
階段国道とは一体どういう意味かと言うと、
その名の通り、階段なのに国道の指定を受けている道である!
・もともとは通学路だった
実は国道の指定要件において、道の状況に関しては言及されていないのだそう。階段や歩道であっても要件的には全く問題ないのだ。
といっても、全国的に見て珍しいことには変わりない。一体なぜ国道指定を受けてしまったのかと言うと……
そもそもこの道は、中腹と一番上に建っていた小・中学校への通学路として使われていた。(ただし、中腹から一番上までの階段が整備されたのは国道指定後)
ところが1974年に国道339号線を指定するにあたり、車両通行可能な道が 南北で分断してしまった。
両道の間には急な崖があり、道路を作るのが難しい。ということで、代わりに階段が国道に指定されたのだそうだ。
学校が無くなった今はもっぱら観光地として活用されている。筆者が訪れた日も、多くの人々が看板の前で記念撮影を楽しんでいた。
・階段国道を歩いてみた!
それではいざ、階段国道を下ってみよう!
スタート地点は景色が良く、海の爽やかさを味わいながら歩き始めたのだが……
すぐに木々に囲まれた。
どう見ても国道じゃない。低山でハイキングをしているぐらいのノリである。
下っている間に気になったのは、筆者とは逆に登ってきている人々の様子。この先、長い道のりとは思えないのだが、皆無言で息を切らして膝に手を当てるなど、妙に疲れた様子なのである。
中腹までやってくると、一旦道が開けて小さい広場のような場所へ出てきた。そして石碑がある。
「三厩(みんまや)村立竜飛中学校跡地」
校舎は既に取り壊されているようで、代わりに公民館のような雰囲気の建物が建っていた。
中学校の跡地にしては狭い気もするが、人口や土地の広さ的な事情もあったのだろう。
学校跡からの景色はこちら。
より海が近くなり、船や人々の行き交う様子が見える。おまけに天気が良く、爽やかな風が吹いてくるではないか。ポカリスエットのCMに出たって違和感がないぐらいの気持ち良さだな!
津軽海峡って黒いものだとばかり思っていたが、海が青い!
・まさかの光景が広がっていた
広場を出て30秒ほど進んだところで、先ほどすれ違った人々が疲れ切っていた理由がわかった。
一気に畳みかけるように、短い区間の中に階段がつづら折りになっているではないか。下りは良いが、登るとなると。考えるだけでも膝が震えてくる。
まさに大人版「行きはよいよい、帰りは怖い」。
幼少期、この歌詞のせいで夕方の公園からの帰り道が怖かった。一人の時は自宅まで走り続けることすら……。
こんなところでトラウマソングを思い出すとは思わなかったぜ。
しかし衝撃はそれだけではなかった。
つづら折りを下った先で思わず「なんでこんな場所通るの?」と口にしてしまったのだ。
その理由は……
めっちゃ人の家の玄関前通らせるやん!!!!
道幅はわずか1mちょっと。どう見ても私道だけど良いの? と聞きたくなるが、これも立派な国道である。
一般的に「うちの家国道沿いにあるで」と聞くと 車通りの多さを想像しがちだが、国道339号線においては一切当てはまらない。
ついに階段国道の最終地点に到着だ!
全部で362段ありました。
・帰りは怖いよ……
想像通りと言うべきか、苦しいのは帰り道だった。たかが362段とは言え、ライターの運動不足を舐めないで欲しい。
最初にして最大の難関がコレ。
ほぼ崖やないかい……。
下りの時にすれ違った人と同様に、膝に手をあてて息を切らしながら重い足を上げ続け、
(嘘くさく見えるかもしれないが、本気でしんどかった)
ようやくスタート地点まで戻ることができた!
汗だくになったのは言うまでもない。喉もカラカラだ。今後往復チャレンジする方には、スポドリなどの飲み物を持って行くことを強くオススメする。
なお冬季は除雪が行われないとのこと。冬景色を味わいながらの階段国道は諦めた方が良さそうだ。
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]
▼竜飛岬には、津軽海峡冬景色の歌詞が書かれた大きな記念碑もあるぞ。
▼ボタンを押すと大音量で津軽海峡冬景色(歌付き)が流れる。誰もが思わず口ずさむ国民的演歌だ。
▼竜飛岬ではたびたび爆風が吹き荒れる。帽子などが飛ばないよう注意しよう。
高木はるか




















【私的ベスト】記者が厳選する2022年のお気に入り記事5選 ~ 高木はるか 編 ~
今はなき「寝台特急カシオペア号」が走る姿をカメラに収めたい!
マグロ界の超高級ブランド「大間のまぐろ」がくら寿司に / 赤身好き大歓喜の濃厚なフレーバー
【珍スポット】世界で初めてスッポンとハチミツのドッキングに成功した「夜明の里」に行ってきた / ド迫力の夜明観音までは階段108段!
山中に突如として現れる巨大な石壁! 神秘の絶景スポット・黒川ダムを巡る / あるいは身をもって「位置エネルギー」を知る大人の社会見学
【4コマ】魔王軍はホワイト企業 2017話目「休暇明け⑲」
鳩よけのカラスを置いたら鳥寄せになった
【4コマ】魔王軍はホワイト企業 2016話目「休暇明け⑱」
【サイゼリヤ食べ放題】舞浜駅前店の朝ビュッフェに行った正直な感想「ミラノ風ドリアよりクロワッサン」
【体験レポ】90分2000円で謎の乗り物「RODEM」に乗って日本橋を巡ってみた / 見慣れた街なのに「へぇ〜」が止まらなかった
【4コマ】魔王軍はホワイト企業 2013話目「休暇明け⑮」
【関西限定】ファミマの500円福袋を買ってみたら、一瞬ガッカリ → よく見たらめっちゃエエやんけ!
【4コマ】魔王軍はホワイト企業 2012話目「休暇明け⑭」
岐阜県の道の駅56駅を全制覇したのでオススメ10選を紹介する / 850駅を巡ったマニアのまとめ「全国2番目に道の駅が多い県」
1400円でカレーや唐揚げが食べ放題! 創業28年のネパール料理店『マナカマナ』のランチに感じた「信頼の積み重ね」板橋区大山
【1000円以下食べ放題】900円のランチ定食注文で炒飯食べ放題! 唐揚げや水餃子もついてくるガチ中華『四川厨房 随苑 内神田店』
定額で遊び放題! 福生『ゲームセンター タンポポ』は、行き場のない “みなし機” の新たな活躍場所 / 懐かしの名機に会える楽園
都内の「天下一品」跡地に10店同時オープンした「伍福軒」が全店一斉閉店 / 6月中旬で店舗ゼロに
覚悟して「2つ折りスマホ」を買って1年2カ月が経過。今の端末の状態と、購入を検討している人はむしろコレを気にしてほしい
【実録】心筋梗塞になりました / 第1話「かつてない胸の痛み」
オニヤンマのフィギュアが虫よけになるってほんと? 2週間かけて試してみた正直な感想
【事件】久しぶりに「串カツ田中」に行ったらほぼ別の店になっていた / 豚もエビもレンコンも食べずに帰ることになった理由
【本日発売】「ローソンの福袋」(2160円)があまりにパンパンに詰まってて、持って帰るのちょっと恥ずい
中国「渡航自粛要請」から2週間が経った京都市内「祇園」「清水寺」「錦市場」の様子を見に行ってみた
黄ばんだスマホケースを『オキシ漬け』したらこうなった / TPU素材の変色は復活するのか?
なにげなく大分県別府市で泊まったホテルがコスパよくてビックリ! 立地&景色よしで温泉もある『ホテルニューツルタ』
【珍スポット】日本最大級の巨大観音とインドの世界遺産みたいな大仏塔が並ぶ「成田山 久留米分院」がもはやテーマパーク / 福岡県久留米市
【高知市】はりまや橋が4基あるって知ってた? もう「日本三大がっかりスポット」とは呼ばせねぇ!!
【絶景】北海道上富良野の直線道路「ジェットコースターの路」が壮大すぎる! 広大な田園の彼方まで波打つ道路が日本とは思えない!!
「大間のマグロ」なら大間で食べるのが1番じゃないかと思い立ち本州最北端の地に行ってみた / まぐろ長宝丸
【歩行者無料】本州と九州の間を歩いて渡れる「関門トンネル人道」に行ってきた! 海底で山口県と福岡県の県境を発見ッ!!
高速道路SAに歩いて行ってみたら2時間滞在してしまった / NEXCO東日本最大級のサービスエリア「Pasar蓮田」
渋谷のモヤイ像が私たちに突き付ける『モヤイ』の本当の意味 / 今の世の中にこそ必要な言葉ではないのか?
【カラオケ】DAMが「平成でもっとも歌われた楽曲」を発表 → 3位『残酷な天使のテーゼ』2位『小さな恋のうた』1位はなんと……!
東京は徒歩でどのくらい横断できるのか? 8時間歩いて確かめてみた結果…
【混乱】大分県のUSAにはマチュピチュがある / 知る人ぞ知る「空中都市」に行ってきた