
温厚な高校教師ウォルター・ホワイトが余命宣告されたことをきっかけに、ドラッグ精製の副業に乗り出す異色作『ブレイキング・バッド』。家族に残す財産を一稼ぎしたら足を洗うはずが、ドンドン深みにハマって暴走してしまう彼の変貌ぶりが、あまりにも衝撃的な作品だ。
そんなウォルターにかかわる登場人物も、輪をかけたように個性的なキャラクターばかりだった。そこで、今までに “あの人の素顔に迫るシリーズ” で取り上げたキャラクターの総集編として、登場人物が5秒で理解できるまとめ集を作ることにした。
・『ブレイキング・バッド』の登場人物が5秒で理解できちゃうまとめ集
それでは本作の重要なキャラクターから順番に、登場人物が5秒で理解できちゃう解説付きで紹介していこう。最初に来るのがキャラクター名で、カッコ内が役を演じる俳優の名前である。
ウォルター・ホワイト(ブライアン・クランストン)
末期癌(がん)を宣告されたウォルターは家族に遺産を残すために、化学の専門知識を活かしてドラッグ “ブルーメス” の精製に手を染めることに。だが次第にダークサイドに引き込まれ、麻薬の世界で通称 “ハイゼンベルク” として伸し上がって行く。
ジェシー・ピンクマン(アーロン・ポール)
ウォルターの元教え子でジャンキー。ウォルターが精製した高純度ドラッグ “ブルーメス” を売りさばくためにウォルターの相棒になり、ウォルターとは擬似親子のような関係を築く。
スカイラー・ホワイト(アンナ・ガン)
ウォルターの妻で、後にウォルターがひた隠しにしていた副業について知ることに。会計士の資格を持つ彼女がドラッグマネーを管理し、夫の犯罪に加担することになる。
ハンク・シュレイダー(ディーン・ノリス)
ウォルターの義弟で麻薬取締官。ブルーメスの出所とハイゼンベルクを執拗に追い、最後には自分が追っていた男がウォルターであることを突き止める。
ウォルター・ホワイト・Jr(RJ・ミッテ)
ウォルターの息子で脳内麻痺のため軽い言語障害を患っているが、しっかりしていて家族思いの孝行息子。父を慕っていたが、敬愛する叔父ハンクがウォルターのせいで死んだことを知り、最後は絶縁状態に。
マリー・シュレイダー(ベッツィ・ブラント)
スカイラーの妹でハンクの妻。神経質で盗み癖があるが、ブルーメスの捜査中に被弾し、歩行困難になったハンクを気丈に支える。
ソウル・グッドマン(ボブ・オデンカーク)
金のためなら、犯罪者を相手にした仕事も請け負う悪徳弁護士。いつも暴走しがちなウォルターとジェシーの尻拭いをさせれるハメになるが、胡散臭い割にクライアントへの忠誠心はしっかりしている。
ガス・フリング(ジャンカルロ・エスポジート)
表向きは、フライドチキンのファストフード店やクリーニング工場を経営するビジネスマン。そして裏世界では、ドラッグビジネスを牛耳るマフィアという2つの顔を持つ男。過去に、メキシコの麻薬カルテルに親友マックスを殺され強い恨みを持つ彼は、復讐心がアダとなり最後は命を落とすこととなる。
マイク・エルマントラウト(ジョナサン・バンクス)
ガスの右腕的存在で、ボディーガードから暗殺と何でもこなすフィクサー役。ガスが殺された後、ウォルターとジェシーとドラッグビジネスで組むことに。元刑事で冷静沈着で寡黙な男。
ヘクター・サラマンカ(マーク・マーゴリス)
メキシカン・マフィアの元幹部で、ガスの親友マックスを射殺した人物。車椅子生活を送り口が利けないため、ベルを鳴らす回数で “イエスとノー” を返答し分けている。最後はウォルターが車椅子に仕掛けた爆弾で自爆し、巻き添えを食ったガスも命を落とす。
トゥコ・サラマンカ(レイモンド・クルツ)
麻薬売人の元締めで、ウォルターが精製したブルーメスの純度の高さにブっ飛び、取引することを決める。ヤクをキメる時の「エイッ!!トゥァー! タイッ! タイッ! Yeah!!」という雄叫びがキョーレツで、キレたら収拾がつかないほどの超ウルトラ短気な男。
スティーブン・“ゴミー”・ゴメス(スティーヴン・マイケル・ケサダ)
麻薬取締官ハンクの相棒で親友。執念でハイゼンベルクの正体を暴こうとするハンクに対し、ゴメスはそこまでのこだわりを見せないが、パートナーとして公私ともにハンクを支える頼りがいのある男だ。
スキニー・ピート(チャールズ・ベイカー)
ジェシーのストリート仲間で、ギャングになり切れないチンピラ。何をやっても中途半端だが何だか憎めないキャラクターで、シリーズのコメディ部分を担う存在。意外にも全シーズンに登場して、最後まで生き残る重要なキャラクターである。
バッジャーことブランドン・メイヒュー(マット・ジョーンズ)
スキニー・ピートと同じくジェシーの仲間で、ピートといつも行動を共にしている。ブルーメスの取引で潜入捜査中の捜査官によってしょっぴかれ、ソウルを弁護士に雇って助け出される。彼もピートと同じく最後まで生き残る。
コンボ(ロドニー・ラッシュ)
ピートとバッジャーと一緒に3人1組で、“三バカ大将” 的な存在感を放っていたコンボ。ドラッグ売買のシマ争いに巻き込まれ、10歳の少年に射殺されてしまう。コンボの死は、ジェシーとピート、バッジャーに大きな衝撃を与える。
ゲイル・ベティカー(デヴィッド・コスタビル)
ジャンキーのジェシーをウォルターのメス精製助手にしたがらなかったガスが、ジェシーの代わりに雇ったのがゲイルだ。ゲイルにブルーメス精製方法を伝授した後に、自分が殺されることを知ったウォルターの指示で、ジェシーによって射殺される。
ジェーン・マーゴリス(クリステン・リッター)
ジェシーのアパートの隣に住んでいたジェーンは、彼と瞬く間に恋人関係に。元ジャンキーの彼女はヤクを断っていたものの、ジェシーと出会ったことで再びヘロインに手を出してしまう。その結果、ヘロインの打ちすぎによるオーバードースで返らぬ人となり、ジェシーはとてつもない悲しみの淵に沈むこととなる。
リディア・ロダルテ=クエール(ローラ・フレイザー)
ガス・フリングにドラッグ原料を横流ししていた彼女は、ガスとのつながりをもみ消すために、マイクにガスの手下11人の暗殺を依頼。冷酷な彼女の指示で殺された男の数は、23人にも上る。
トッド・アルキスト(ジェシー・プレモンス)
シーズン5からジェシーの代わりに、ウォルターのメス精製の右腕となる残酷な男。ウォルターとジェシーと一緒にメス原料のメチルアミンを積んだ列車を強盗する際、目撃者となった少年を一瞬のためらいもなしに射殺する。
エリオット・シュワルツ(アダム・ゴドリー)
ウォルターと一緒にグレイマター社を設立した、彼の大学時代の親友。ウォルターが会社を去った後、彼の研究成果をもとに会社は急成長し、エリオットはノーベル化学賞を受賞。ウォルターの元恋人グレッチェンと結婚し、ウォルターの男のプライドを揺らし続けた存在だ。
グレッチェン・シュワルツ(ジェシカ・ヘクト)
エリオットと結婚した彼女は、大学時代はウォルターの恋人だった。表向きは平静を装っているものの、ウォルターは彼女に対して複雑な気持ちを抱えていた模様。
テッド・ベネキー(クリストファー・カズンズ)
スカイラーが会計士として勤める会社の社長。後に彼女と不倫関係になるが、会社の金を脱税していたことをスカイラーに突き止められる。知らずと脱税に加担していた事実をカバーするために、彼女はウォルターのドラッグマネーで脱税額をテッドに支払わせようとする。支払いを拒んだ結果、ソウルの手下に軟禁されたテッドは、首の骨を折って体が不自由になってしまう。
ウェンディ(ジュリア・ミネシ)
ドラッグ依存症の娼婦ウェンディは、元売人だったジェシーからメスを買うついでに、彼に “ご奉仕” しているという役柄。登場回数こそ少ないものの、ジェシーの指示で彼が敵対するギャングに毒入りハンバーガーを差し入れしたりと、ストーリーの鍵となる重要な役を担っていた。
トルトゥーガ(ダニー・トレホ)
麻薬取締局の情報提供者だったトルトゥーガは殺害されたのち、生首をカメの甲羅に乗せられて爆破される。その爆発により、ハンクの仲間である麻薬取締官が数人犠牲となる。
マルコ&レオネル兄弟(ルイス&ダニエル・モンカダ)
トゥコのいとこにあたる殺人ブラザーズはハンクを殺害するために彼を狙うが、最後には二人とも命を落とす。この銃撃戦で被弾したハンクは、しばらく寝たきりで歩行困難になってしまう。
スプージ(デヴィッド・ユリー)
スキニー・ピートから、ドラッグ “ブルーメス” を奪うジャンキー。メスを奪い返しに行ったジェシーの目の前で、ハイになった妻が倒したATMマシーンによって頭を押し潰されて即死。
エラディオ(スティーヴン・バウアー)
メキシコの麻薬カルテルのドンであるエラディオは、ガスが毒を盛った酒で乾杯して毒殺される。
クレイジー・エイト(マックス・アルシニエガ)
ジェシーが以前に組んでいた売人で、ウォルターとジェシーを始末しようとしたところ、逆にウォルターが作った毒ガスによって倒れる。その後、ジェシーの家の地下室に監禁された挙句、ウォルターによって殺害されてしまう。
エミリオ・コヤマ(ジョン・コヤマ)
クレイジー・エイトのいとこでヤクの売人のエミリオは、ウォルターが作り出した毒ガスで中毒死する。後にジェシーによって、遺体を化学薬品でドロドロに溶かされるハメに。
ノー・ドーズ(セサール・ガルシア)
トゥコの手下である彼は、要らぬ一言でトゥコの逆鱗に触れボコボコに撲殺される。
ゴンゾ(ヘスス・ペイヤン)
トゥコの手下であるゴンゾは、自動車解体所でトゥコに撲殺された相棒ノードーズの遺体を片付けている時に、上から落ちてきた車に腕を挟まれ出血死。
ジャック(マイケル・ボーウェン)
ジャックは、シーズン5でウォルターのメス精製の右腕となるトッドの叔父。人を殺すことを何とも思っていないサイコパスで、ウォルターの義兄ハンクを射殺する。
スプージの妻(デイル・ディッキー)
スプージの妻でジャンキーの彼女は、暴言を吐く夫にカッとなり、夫が盗んできたATMマシーンを倒して夫の頭をペチャンコにして殺害。
ヴィクター(ジェレマイア・ビツイ)
マフィアのボス、ガスの手下として忠実に彼の指示に従っていた彼だが、ガスにノドをカッ切られて殺されてしまう。
ヒューエル(ラヴェル・クロフォード)
ソウルの弁護士事務所のボディガードだが、いつも眠りこけている。相棒カビーとソウルの “Aチーム” として、あらゆる問題の処理にあたる。
ボグダン・ウォリネッツ(マリウス・スタン)
ウォルターが、メス精製を始める前にバイトしていた洗車屋のオーナー。後にドラッグマネーで洗車屋を買い取ったウォルターは、洗車屋を隠れみのにしてマネーロンダリングする。
マックス・アルシニエガ(ジェームズ・マルティネス)
ガスの幼なじみで親友のマックスは、メキシコの麻薬カルテルとの会合の場でへクターによって射殺される。劇中でハッキリと明言はされないが、どうやらガスとマックスは同性愛の関係にあったと見られている。
カビー(ビル・バー)
ヒューエルの相棒で、ソウルの “Aチーム” の相方。無口で居眠りばかりしているヒューエルに対し、お喋りでキビキビと仕事をこなす彼は有能さを発揮していた。
ドリュー少年(サム・ウェッブ)
ウォルターが精製するブルーメスの原料メチルアミンを積んだ列車から、メチルアミンを盗み出している場に運悪く出くわしてしまったドリュー。犯罪現場を目撃したばかりに、その場にいたトッドに射殺されてしまう。
アンドレア・カンティージョ(エミリー・リオス)
ジェシーの2番目の恋人で、ドラッグ依存症のシングルマザー。メス精製地獄から逃走しようとしたジェシーの見せしめのために、トッドによって殺される。
フランチェスカ(ティナ・パーカー)
ソウルの弁護士事務所で秘書を務める彼女は、彼のセクハラにもめげず、ウォルターを恐喝して大金を巻き上げる肝っ玉の据わりぶりを見せていた。
ベネチオ(カルロ・ロタ)
メキシコのメス・ラボを仕切る男。ガスによって、メキシコのメス精製所に連れて行かれたジェシーからブルーメス精製の手ほどきを受けるが、ジェシーほど純度の高いドラッグを作れなかった彼は殺されてしまう。
ピンクマン夫人(テス・ハーパー)
ジェシーの母で、高校を中退してヤクの売人になった息子との関係はギクシャクしている。ジェシーが住んでいた叔母の家から追い出すものの、逆に、ドラッグマネーで儲けた金で息子に家を買い取られることに。
おとり捜査官ゲッツ(DJクオールズ)
ジャンキーとして潜入捜査していた捜査官のゲッツは、ジェシーの仲間バッジャーをしょっぴく。
カルメン校長(カーメン・セラーノ)
ウォルターが勤める高校の校長先生。学校の校長にしては若くて美人すぎる彼女に、ウォルターがキスしようとするが思いっきり拒否られて赤っ恥をかいてしまう。
これから『ブレイキング・バッド』を見ようという人や、随分前に見たから細かいところを忘れてしまったという人に、手引きとして “登場人物が5秒で理解できちゃうまとめ集” を利用していただけたらと思う。米テレビドラマ史に名を刻む最高傑作である本作を、ぜひとも堪能してほしい。
参考リンク:ソニー・ピクチャーズ『ブレイキング・バッド』オフィシャルサイト
執筆:Nekolas
イラスト: マミヤ狂四郎
▼『ブレイキング・バッド』シーズン1の予告編はこちら
▼ポスターも作ったぞ!
Nekolas

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