
生まれてから何ひとつ曲がったことをしたことがなかった真面目な化学教師ウォルター・ホワイトが、高純度ドラッグの精製に手を染め、殺人すら怯まなくる衝撃作『ブレイキング・バッド』。まず現実にはあり得ない設定ゆえ、異常なストーリーが紡ぎ出す非現実感をリアルに見せるために、所どころでパンチを効かせたブラックユーモアは不可欠である。
そんなユーモア部門を大きく担っているのが、悪徳弁護士ソウル・グッドマンとスキニー・ピートを頭(かしら)にしたストリートの三バカ大将だと、以前に紹介した。そして今回は、ウォルターの相棒ジェシーの心を許せるダチで、いつもピートとセットになっていたバッジャーことブランドン・メイヒューを演じたマット・ジョーンズの実態に迫ってみたい。
・ジェシーと組んだバンドではボーカルとして活躍!
スキニー・ピートの特徴がガリガリ体型なら、バッジャーは193センチという巨漢に似合わない、超高っ~いかすれ声だろう。一度聞いたらナカナカ忘れられない声をしているが、顔や体型と違って声だけは変えられないだけに、ある意味、特徴的な声は俳優の武器になり得る。
『ブレイキング・バッド』のストーリーで、昔バッジャーはウォルターの相棒ジェシーとバンド「TwaughtHammer」を組んでいたという設定だった。そして、バッジャーは独特の高い声を活かして、メタル系バンドでボーカルを担当。本編にバンドの演奏シーンは登場しないが、プロモビデオ「Fallacies」には、ジェシーの名前が監督としてしっかりクレジットされている。
マット自身もバンドに在籍していた過去があり、プロモ撮影で彼が実際に歌えることが分かって、撮影スタッフは驚いたそうだ。
・『ブレイキング・バッド』にはコメディアンが多く出演
元々コメディアンとして活動していた彼は、オランダのアムステルダムにある超有名コメディクラブBoom Chicagoでもパフォーマンスを行うなど、国際的に活躍。
ソウル役のボブ・オデンカークやゴメス役のスティーヴン・マイケル・ケサダもコメディ畑出身だが、クリエイターのヴィンス・ギリガンは、意図的にコメディアンを多く起用したのかもしれない。ダークなストーリーが重くなりすぎないよう “笑いのプロ” をキャスティングすることで、「演出だけではコントロールできない自然化学反応を生み出そうとしていたのでは?」とも思える。
・元々はトゥコの手下だったバッジャー
見るからに気が良さそうなバッジャーだが、オリジナルのストーリーは、ギャングでキレ方が激しいトゥコをジェシーに引き合わせる役だった。トゥコの手下という設定だったが、ギリガンから「バッジャーみたいなイイ奴が、トゥコの仲間だなんてしっくりこない。でも、心配しなくても出演シーンは減らないから」との説明があったそうだ。こうしてバッジャーは、ジェシーの友人として全シーズン通して登場するほどの、重要な脇役ポジションをゲットしたのだ。
・ソウルの弁護士事務所の宣伝に一役買う
ジェシーの仲間として高純度ドラッグ “ブルーメス” を流通させるべく、ストリートでディーラーとしてブルーメスをさばき出したバッジャーは、警察に逮捕されてしまう。そこで、彼の弁護を務めたのがソウルなわけだが、バッジャーはソウルの弁護士事務所のウェブサイトに “満足した顧客” として動画を投稿。
「サツに捕まってヤバいことになったけどよ~、ソウルが現れて俺を救ってくれたんだ。ブチこまれそうになったけど、2日でストリートに戻れたぜ!!」
と、アツくソウルの事務所を宣伝している。
まだ31歳と若いマットだが、意欲作『The Night Is Young』では、、監督・脚本・製作・出演を務めてマルチな才能を発揮。ハリウッドでは、活動を演技だけにとどめる俳優と、現場で学んで監督・製作・脚本業へと仕事の幅を広げる俳優の2つに大きく分かれる。演技だけでも大変なのに全役をこなしてしまうマットは、これからハリウッドでの飛躍が期待できそうだ。
参照元:IMDb、Breaking Bad Wiki、AMC、Better Call Saul(英語)
執筆:Nekolas
イラスト: マミヤ狂四郎
▼バッジャーとジェシーのバンド「TwaughtHammer」のプロモビデオ
▼ウェブサイトでソウルを宣伝するバッジャー
▼バッジャーの弁護を務めるソウルとのシーン
▼『ブレイキング・バッド』シーズン1の予告編はこちら
▼ぬりえもあるぞ!
Nekolas

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