子どものころ、母がぬか漬けを作っていた。いや、育てていたと言った方が正しいかもしれない。毎日必ずかき混ぜ、旅行する際は人に預けていた。時折ヨーグルトやビールを与えており、その可愛がり方といったら尋常でなかったように記憶している。
まあ要するに、ぬか漬けとは手がかかるものなのだろう。気軽には手を出せないシロモノ、それがぬか漬けに対する記者のイメージだった。そんなある日、友人からとある商品をススメられた。『ぬかチューブ』という、チューブに入ったぬか味噌だ。
なんでもチューブをひねって食材とチューブの中身を一緒にラップで包むだけで、ぬか漬けが完成するのだとか。本当にそんな便利なものが存在するのだろうか。怪しい……と思いつつ、ネットでポチっと注文だ!