島根出身の私(佐藤)は、「そばかうどんか」と言われたら間違いなくそばを選ぶ。なぜなら島根は出雲そばが有名なそばどころで、郷里の松江市には地元でよく知られるそば屋さんが何軒もある。うどんを食べるという選択肢がなかったといっても、決して大げさではない。
そんな私が最近訪ねた香川県発祥のセルフ式讃岐うどん店「こがね製麺所」では、意外なものが天ぷらになっていた! 本場ではコレも天ぷらにするのか!?
・香川発祥
こがね製麺所は香川県に本社(運営元:株式会社クルー)を置き、中四国を中心に店舗を展開し都内にも3店舗を構えている。
東京は江東区森下・渋谷区恵比寿、そして2024年3月には江東区東陽町にも出店している。今回訪ねたのは東京本部の森下店である。
お店は完全セルフ式で、店内は一方通行。向かって右側が入口で左側が出口になっている。一方通行のうどん店といえば、五反田のおにやんまや吉祥寺のいぶきうどんが思い出されるが、ここはそれらのお店と比べると店内がかなり広い。
・食品ロスへの取り組み
入店しようとしたところ、入口にこんな貼り紙が。
「近年の物価高騰により「ネギ、わかめ等」の原材料費が高騰しております。(中略)お客様には誠に恐縮ですが、残さない食べ切りサイズでお取り頂くよう何卒ご協力の程、宜しくお願い申し上げます」
うどん屋は以前から「薬味無料」が一般に浸透しているため、有料化は難しいだろう。とはいえ、昨今の物価高の影響は小さくないはず。余分に取って食べ残されたら、お店としてもたまったものではない。食べる分だけ取るように心がけたい。
ちなみにこがね製麺所は、食品廃棄の問題に対して積極的な取り組みを行っており、茹で上がり後30分経過した麺は「もったいないうどん」として、食事した客を対象に無料で提供している。
この日のもったいないうどんはすでに終了していたが、日によっては、時間が経った麺を持ち帰ることができるそうだ。茹で上がりから時間が経ったとはいえ、食べられなくなるわけではないので、食べずに捨てるのはもったいない。この取り組みは店にとっても客にとっても良いことだろう。
・小は1玉、天ぷらは一律
さて、注文は券売機で行う。メニューを見ると、内容は一般的でとくに珍しいものはなさそうだが……。
強いていえば、うどん8玉の「たらいうどん」なんてものがある。さすがに1人で8玉は食える気がしない……。大食漢にとってはありがたい一品だろう。
「肉温玉ぶっかけうどん」(小:税込890円)を食べようと思うんだけど、小・中・大の3サイズある。小では少ないかな? 中が並盛に相当するのかな?
……と思ったら、小は1玉、中2玉、大3玉なので、小が並盛という扱いらしい。あぶない、中を頼むところだったよ。
天ぷらはどれでも一律税込180円。数に応じて値段が変わるので、わかり易く良い。
「天ぷら3個」(税込540円)の食券を購入したので、好きなものを3個取るとしよう。ちょっと見慣れないものもあるんだが~。とりあえずそれも取っておくとしよう。
薬味はしょうが・わかめ・ネギ・天かす。食べ切れる分だけ盛って、準備完了~。
・ぶるんぶるん
こちらが肉温玉ぶっかけうどん(冷)と天ぷら3品です。天ぷらに気になるものがあるかもしれないけど、まずはうどんについてお伝えしたい。
薬味を乗せたとはいえ、1玉で器はいっぱい。2玉や3玉がこの丼に収まるとは思えない。きっと大きな器に盛るのだろう とにかく、小を注文して正解だった。
うどんはめちゃくちゃコシが強い! ぶるんぶるんとしていて、噛むとブチッ! と音がしそうなほどしっかりとした歯ごたえ。
小麦粉と醤油は自社ブレンドのものを使用しているのだとか。このお店には製麺室があって、そこで練りや鍛え、熟成から包丁切りまでのすべての工程を行っているという。つまり鮮度の高いうどんなのである。
あいにく私は香川県でうどんを食べたことがないが、この味はきっと本場と同じものなのではないだろうか。
・これも揚げるのか!?
続いて天ぷらについてだが、私が取った3品。1つは鶏天、もう1つが海老天である。
最後のひとつが……昆布のかき揚げ!
昆布の天ぷら!? 揚げた昆布、初めて見たかも。香川(讃岐)では出汁をとった昆布や高野豆腐、こんにゃくを天ぷらにするらしい。
うどんに乗せると視覚インパクト絶大。うどんが主役のはずなんだけど、昆布の存在感が勝っている。
食べてみると、これが意外と食べ応えがある。サクサク食感を想像して口の中に入れたんだけど、どちらかといえばゴワゴワとした食感かなあ。
出汁に浸して柔らかくして食べました。正しい食べ方があれば、香川の方、教えてください。うどん初心者にはちょっと難しかった。とはいえ、噛むほど昆布の旨味が出てきて美味しかったです。
海老天は推定20センチ弱のビッグサイズ。衣サクサクでうどんとの相性はバッチリ。明太マヨ釜玉(小:税込650円)との食い合わせが1番良さそうだ。
ということで、うどんだけでなく本場の天ぷらを楽しみたかったら、こがね製麺所はおすすめです。タイミングが良ければ、もったいないうどんに出会えるかも。うどん好きはもちろん、そうでない方も1度ご利用を。
・今回訪問した店舗の情報
店名 こがね製麺所 東京総本部 森下店
住所 東京都江東区新大橋3-3-5
時間 11:00~22:00