「色聴」という言葉をご存じだろうか? これは、音を色として感じることができる能力をさす言葉だ。共感覚とも呼ばれており、ある感覚的な刺激(たとえば音)を受けると、同時に別の感覚的な刺激(この場合は色彩)を受ける知覚現象を意味する。
ロンドンで活動する芸術家、ニール・ハービソン氏は生まれついて色覚に障がいがあり、色を識別することができない。11歳まで白黒の世界に生きていることにさえ、気づかなかったそうだ。現在は頭蓋骨に特殊な装置を埋め込んでおり、色を音で聞くことができる。つまり後天的な共感覚の持ち主だ。彼に聞こえている音はとてもユニークで、同じ世界にいながら、まったく別のものが見えているようである。