「辺境音楽マニア」の記事まとめ (2ページ目)
以前の記事で、世界の有名メタルバンドが中国では漢字に置き換えられてしまう為、中国人以外にはさっぱりどのバンドの事を指しているのか、分からなくなってしまっている事を紹介した。たとえば、「Children of Bodom」が「博多之子」と表記されたり、「Nine Inch Nails」が「九寸釘」と表記されてしまうのである。
日本でも外国のバンドをカタカナで表記する事が多々あるが、なるべくオリジナルのアルファベット表記で記述した方がいいのではないかと考えている。カタカナに置き換えると原音から掛け離れた表記になってしまう事があるだけでなく、文字だけではバンド当事者や外国人と意思疎通が図れなくなるからだ。今回はそうした日本だけで名前が変わってしまったメタルバンドを紹介しよう。
以前、この「辺境音楽マニア」で「難読デスメタルバンド名15選」という記事を寄稿した。「۞」や「_-_」など、ウケを狙い過ぎて、逆に読めなくなってしまっているメタルバンド達を紹介したのである。
・中国では欧米のメタルバンドも漢字で表記
さて中国のデスメタル情報を探っていると、漢字だらけで、意味が読み取れない事が多い。しかしGoogle翻訳にかけると「何だそのバンドの事か……」と、呆気にとられる事が多々ある。実は中国では欧米のメタルバンドを、漢字で書くのが一般的なのだ。ある意味、これも「難読バンド」と言える。今回はそんな中国語表記の難読バンドについてお伝えしよう。
メタルバンドの中で一番希少価値の高いパートは「ドラマー」ではないだろうか? ギターやベースなどの弦楽器と比べても、機材や練習環境にお金が掛かる上に、デスメタルやブラックメタルなどより激しいジャンルでは、ブラストビートというテクニックと体力を要する技術を磨く必要がある。
日本では住宅環境の制限によって、ドラマー人口の数は限られており、ドラマーがバンドの命運を左右するといっても過言ではない。最近ではサイレントドラムによって自宅でも練習する事が可能になってきてはいるが、やはりまだまだハードルは高い。今回はそのドラマーのなかでも、かなり稀有なドラマーを紹介したい。
アフリカ開発をテーマにした日本主催の国際会議「TICAD」。今年2016年8月にアフリカで初開催され、今後は日本企業のアフリカ進出の増加が見込まれる。しかし現在、中国のアフリカ進出は遙かに先を行っており、アフリカ大陸には中国人が100万人もいると言われている。ちなみに日本人は約8000人。
また同時に数多くのアフリカ出身の人たちが中国で暮らしている。実は中国を拠点に活動する、アフリカ人ラッパーも存在するのだ。今回はそんな1人、中国で活動する赤道ギニア出身のアフリカ人ラッパーについてお伝えしよう。
「しとしとぴっちゃん、しとぴっちゃん」と言えば、そう、あの『子連れ狼』である。その、子連れ狼で出てくる子どもの名前が「大五郎」。前髪とモミアゲの上の部分と、後頭部だけ長く伸ばし、あとは刈り上げた独特の髪型でも知られているアレである。
その「大五郎」をそのままバンド名にした外国のバンドがいる。それはスイスの西部フランス語圏に属するフリブール出身の「Daïgoro」だ。
シンガポールに「Oshiego」という名前のデスメタルバンドがいる。スウェディッシュ風のオールドスクール寄りなサウンドに、「Nile」や同国の「Rudra」のような、オリエンタルチューンが特徴だ。
しかしその名前は、あまり英語的なスペルではないので、ひょっとして日本語の「教え子(Oshiego)」を意味するのではないか? と推測した。それにしても暴力的な音楽で知られるデスメタルで「教え子」というのは、かなりマヌケである。「子ども」や「塾」をイメージさせ、全くデスメタルっぽくない。
以前ハングルなどが混ざったトンデモ日本イメージを活用したGenetikkというドイツのラッパーを紹介したが、フランスにも同じぐらいトンデモ日本のヒップホップビデオクリップがあった。その曲名は『Benkei et Minamoto』。そう『弁慶と源』である。
以前の記事で、世界のブラックメタラーの間で、樹海「青木ヶ原」が大人気だという事を紹介した。また世界各国の首都の中で「Tokyo」をバンド名に掲げるメタルバンドが、かなり多く存在することも指摘した。
しかし世界のメタルバンドの中で最も使われる日本の地名は、なんと言っても「Hiroshima」だろう。そこで今回は、オバマ大統領が広島を訪れるタイミングに合わせて、メタル界における「広島」の登場頻度を検証してみた。まずはその名もずばり「Hiroshima」という名前のメタルバンドを紹介しよう。
メタルは白人男性の音楽と思われがちだが、最近ではアフリカ大陸で、黒人男性メンバーで構成されるメタルバンドも増えてきていることが判明した。そして、男性より数は圧倒的に少ないものの、女性のメタルミュージシャンもそれなりに存在する。今回はそんな、女性メタルミュージシャンについて、お伝えしたいと思う。
デスメタルがアフリカで盛り上がっているのは、もはや周知の事実だが、インドではさらにハイレベルなバンドが多く登場してきている。ニューデリー出身の「Skyharbor」というDjent(プログレッシヴ・メタルのジャンルの一派)は、インド出身という事は全く抜きにして、世界の最先端シーンから強い支持を受けている。そしてインドのムンバイには「Gaijin」、つまり「外人」という名のテクニカルデスメタルバンドがいる。
奏でるサウンドは、複雑なリズムや演奏法を追究したテクニカルデスメタルで、カナディアンデスメタルの「Gorguts」や「Neuraxis」などケベックからの影響を感じさせる。それもそのはずで、「Cryptopsy」や「Martyr」など、カナダ出身の有名デスメタルバンドのサウンドエンジニアを務めた、Pierre Remillard氏が作品作りに携わっているからだ。
冒頭からかなりマニアックになったが、今回はそんなインドのバンドの話である。
以前の記事で、メチャクチャな日本語で歌うセルビア出身のメタルコアバンドRain Delayの『資生堂(Shiseido)』という曲を紹介した。楽曲は意外とまともで、格好良いバンドだ。
しかし、あまりに意味不明な歌詞が気になったので、バンドのメンバーにインタビューしてみた。以下はその内容なのだが……。
注意:歌詞が意味不明である以上に、意味不明な答えが返ってきてしまったことを前もって、お断りしておこう。ポエマーメタラー(詩人的なメタルアーティスト)に対して、具体性を求めたのは元々無理な話だったのかもしれない。しかし日本贔屓のセルビアの若者がどういうものかを知る上では、多少参考になるかもしれない。
「青木ヶ原(Aokigahara)」が世界中のブラックメタルバンドの間で聖地化しつつあるのは、もはや周知の事実だが、実は日本国の首都「東京(Tokyo)」自体、メタルヘッドの間では憧れの都市である。日本はハイテクと神秘が混在する上に、本国ではB級バンドだったとしても日本では「外タレ」としてやたらとチヤホヤされる為、「東京」はツアー先としても人気だ。今回はメタルバンドの名前にやたら登場する「Tokyo」にフォーカスしよう。
非英語圏ヒップホップ愛好家の間で、突出したシーンを形成していると評価の高いドイツ。エレクトロなバックトラックの上に硬質な滑舌のドイツ語が重なると、とてもスリリングに聴こえるのである。
そんなドイツのヒップホップシーンには、恩師である「Kool Savas」などとビーフ合戦(中傷合戦)を繰り広げて、シーン随一のヒール役として10年以上君臨してきたトルコ系ラッパー「Eko Fresh」がいる。そのEkoは、日本人にとって大変興味深いビデオクリップを発表していた。でも、ちょっと勘違いしているような……。
マッチョっぽいイメージから、ドイツのヒップホップでは「武士道」や「吉光」など、日本語の言葉を名前にするのが流行っている。一方、神秘的なイメージから日本語の言葉を、バンド名にするメタルバンドも世界には多く存在する。例えばラトヴィアの神道メタル「黄泉」などだ。
普通の日本人の感覚からすると「神道」や「黄泉」は、それほど日常生活に密接した感じはしないが、外国の人からすると神秘的でミステリアスな日本イメージなのだろう。今回はなぜかブラックメタルで定着している「青木ヶ原(Aokigahara)」という言葉にフォーカスしてみよう。