Amazonで「射手座のクリスタルペーパーウェイト」なる商品を買った……らしい。自宅に届いたのだから間違いなく購入ボタンを押したのだろう。あらためて商品ページを確認すると、12人の購入者全員が「星1つ」と評価した救いようのない文房具のようだ。

コメントはないので理由は不明。さらに商品写真が1枚しかないため、どういった商品なのかいまいち分からず。こうなったら低評価の理由を探ろうとするのではなく、まっさらな気持ちで商品と向き合うことにした。一体どんな商品なのだろうか?

・射手座のクリスタルペーパーウェイト

ペーパーウェイトを日本語にしたら「文鎮」である。習字の授業で半紙の上に置くアレのこと。デスクの上に置きっぱなしにしていても格好が付く “イケてる文鎮” のことをペーパーウェイトと呼ぶそうだ。つまり紙を固定する機能以上の芸術性が求められるってこと。

こんなことを言っておきながら、なぜペーパーウェイトを買ったのか思い出せない。なんせAmazonで注文したのは約1カ月前。中国から海を越えて自宅に届くまでの間に買ったことすら忘れていた。ちなみに価格は1999円とのこと。

射手座を選んだので、ギリシャ神話に登場する「上半身が人間・下半身が馬」のケンタウロスが描かれている。ただ、商品写真と比べると……だいぶうっすらと描かれているようだ。

りんごの形をした透明な文鎮に、うっすらとケンタウロスが描かれている。端的に言うと、信じられないほどダサい。ケンタウロスがうっすらと浮かぶりんごの文鎮からは芸術性など微塵も感じられなかった。

実際にメモ紙の上に置いてみると紙がぼんやりと光った。クリスタルの力だろうか。結論を言ってしまうと、クリスタルペーパーウェイトを使って唯一「おっ!」と思ったのが、この「紙に置くとぼんやりと光ること」である。それ以外は1ミリも心を動かされなかった。

とりあえず、道端に落ちている雑誌よりも日焼けして色あせているのは大問題だろう。さらに細かいことを言うと、商品写真のケンタウロスは右利きなのに対し、実物はまさかのサウスポー(左利き)。つまり左手で矢を射る姿勢をとっている。間違えてプリントしたのか……


いや違う……


裏表を逆に貼ったのだ。


クリスタルペーパーウェイトの正体は、ケンタウロスのプリントを貼り付けただけの透明なりんごの文鎮だった。購入者が低評価を付けた理由は不明だが「印刷の薄さ」と「りんごにケンタウロスを貼っただけ」という安いトリックにガッカリしてしまったのかもしれない。

試しにググってみると、2000円を出せば様々なデザインのペーパーウェイトが買えることがわかる。ペーパーウェイトに興味のある方は調べてみるといいだろう。ケンタウロスを貼り付けただけのりんごが欲しい方はAmazonで。私はおすすめしない。


参考リンク:Amazon「射手座のクリスタルペーパーウェイト」
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.