ダイソーの格安ハイレゾ対応イヤホンに出会って以来、私(佐藤)の音楽ライフはすっかり変わってしまった。以前は絶対ワイヤレスでなきゃダメ! と思っていたが、有線イヤホンの音の迫力に再び触れてからというもの、ワイヤレスでは物足りなくなってしまっている

しかも、ダイソーの税込550円のイヤホンの秀逸さと言ったら、なんだ! あれは何なんだ! あの音質を1000円以下で売るって、どうかしてるぜ!

もしかして、「アレ以外にも安くてイイものあるんじゃないか?」説が私の中で浮上してきたので、安物を買ってたしかめることにした! 今回はアマゾンで購入した899円のイヤホンである。

・ダイソーの1人勝ち?

ダイソーのハイレゾ対応イヤホンは、私が確認している範囲で現在(2024年4月17日)3種類販売されている。型番が若い方から「6071「6088」「7301」である。

そのうち、6071・7301を所有しており、いずれも500円台とは到底思えない音質をしている。


どちらも音抜けがよく、とくに高音がよく出る。6071は若干バリ感のある硬い音だが、7301はその点を改良したようで、抜けのよい柔らかい音だ。


ダイソーのほかスリーコインズ・キャンドゥ・セリアの3社の近しい価格帯のものとも音を比較してみたが、やっぱりダイソーの2製品がブッチ切っている。もしや、このままいくと、格安有線イヤホンはダイソーの1人勝ちになるのか?

誰かヤツを止められる者はいないのか? ってことで、アマゾンで「OULEKE」というブランドの899円のものを買ってみた。通常は999円なので1000円のポテンシャルを持っているはずなのだが、はたしてその音は……。



・899円のイヤホン

さて、中身はイヤホン本体に専用の袋。それからイヤーチップが大と小の2組入っていた。イヤーチップは圧縮されて歪んでしまっているじゃないか。まあ、安物だから仕方ないか……。


形状はちょっとイヤーポッズに寄せているな。表も裏もどことなく似ている気が……。


遠目で見たら、正規品と間違われる可能性も否めない……。


装着してみると、少ししっくり来ないなあ。イヤーチップが頼りなくて耳の中で浮いている感じがする。別のモノに付け替えたら使えそうではあるが。


・聞き比べ

今回、聞き比べの検証材料は作曲家ジョン・ウィリアムズの「インディー・ジョーンズ 魔宮の伝説」のテーマ。演奏は日本フィルハーモニー交響楽団である。

まずは王者ダイソーの7301で聞いてみよう。


持ち前の音域の広さで高音がスカーン! と行っている。金管楽器の音抜けの良さよ。見えるぞ、インディーが馬に乗って駆けていく姿が。これから冒険が始まる! その興奮を音で感じることができる。


続いて、参考のためにスリーコインズの「高音質イヤホン」(低音域タイプ)で聞いてみよう。これも販売価格は税込550円だ。


これもかなり優秀。低音域タイプであるがゆえに、高音はそこまで望めないものの、従来の100円台イヤホンを軽く凌駕する音の良さだ。疾走感はないが、慎重に事を進める感じのインディーといったところ。冒険家というよりも考古学者としての彼の側面を感じさせる



さて、本題のOULEKEはどうか? 商品名を一応紹介しておくと、「OULEKE タイプc イヤホン 有線 Type C イヤホン [アップグレード版] USB C イヤホン HiFi透明な音質 重低音 マイク付き 音量調節 通話対応 快適な装着感 重低音 オンライン 会議 ヘッドホン 携帯便利 収納袋付き Type Cインターフェース使用 iPhone15/iPad/Xperia/Galaxy/Android対応」

この手のアマゾンの商品の名前の長さは何とかならんのか!


商品名に2回も「重低音」と記載しているだけあって、低音がよく効いている。ひと昔前なら、3000~4000円台で売っていたかもしれないレベルの音質だ。それが1000円以下だからコスパは悪くないだろう。

だが、金管楽器の魅力は損なわれている。抜けが悪くて、冒険の興奮は伝わって来ないなあ。冒険に行くというよりも、小旅行に出かける程度の勢いしか感じない。「そうだ、遺跡に行こう!」、そんな若干舐めた冒険になりそうである。



・イラっとする1文

でね、それよりも私がイラっとしたのは、付属の紙に書いてあった言葉だ。どうやら1000円のギフト券に当選したらしい。20人に1人の割合で当選するんだって。やったね!


LINE登録用のQRコードが記載されているけど、せっかくだが辞退します


で、その裏面に、こうあった。


「至れり尽くせりのアフターサービス」



自分で「至れり尽くせり」とか言うな! せめて安心のアフターサービスとかにしておけよ!


とはいえ、価格の割に音は悪くない。消耗品として使う分には問題なさそうだ。だが残念ながら、ダイソーのハイレゾイヤホンには敵わない。あのイヤホンを超える格安イヤホンは存在するのか? 今後も調べて行きたいと思う。


執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24