【実録】危うく『国産ロマンス詐欺』に引っかかりかけた話 / マカオのセレブ「Abby(アビー)」に恋した6日間(2ページ目)
・絶妙な距離感
Abbyと出会って2日目の朝。その日の会話はAbbyからの「Sanjunは今日仕事を始めましたか? 頑張ってね」というメッセージで始まった。この日、私はポケモンGOのイベントがあったため、多少返事がおざなりになったものの、Abbyも深追いはしてこない。
出会いから1日も経っていない時点で恋愛的な要素をチラつかされたら、私も怪しいと思ったハズ。だがしかし、その辺りは至ってナチュラル。「まだ出会って2日目」の自然な空気が流れていた。Abbyは距離の取り方も絶妙なのである。
次にAbbyから連絡があったのは16時前。「Abbyはまず髪を作る」というメッセージと共に送られてきたのはAbbyの自撮り写真である。「とても素敵な長さですね」と返した私は自分に酔い、また「海外セレブは本当に自撮りが好きだなぁ」と勝手に何かを学んだ気になっていた。
・巧妙すぎる画像の使い方
さて、ここでAbby……というか、国産ロマンス詐欺の巧妙なところをご紹介しよう。ズバリ、国際ロマンス詐欺は……写真の使い方が抜群にウマい! それはキレイな写真を使うという意味ではなく「タイミングや組み合わせ方が秀逸」と表現すればいいだろうか?
例えば、先ほどの「Abbyはまず髪を作る」という写真の数時間後に送られてきた画像は、友達と夕飯を食べている姿。確かに髪の毛がセットされており、また服装も同じである。
さらに「これから車で帰る」とメッセージがあった後に送られてきたのは、車窓から撮影したと思われるマカオの夜景のショート動画。写真のクオリティうんぬんよりも、画像が送られてくるタイミングとメッセージの内容、そして時系列がドンピシャなのだ。
当然、合間合間には、Abbyと私がお互いを知り合う “スイート質問タイム” もあった。Abbyはバツイチで旦那さんは元プロゴルファー、幼い息子が1人いて現在はAbbyの両親と暮らしているという。
・掟破りの逆JIRASHI(ジラシ)
一方で、スタートが娘との写真だったせいか、Abbyは私にその手の質問をほぼして来ない。加えて「友達として」などのワードを発しつつ “それ以上踏み込まないで” というサインを出された……気になっていた。要するに私は、知らず知らずのうちに「JIRASHI(ジラシ)」を喰らっていたのである。
JIRAされればJIRAされるほど、分泌量を増す恋愛ホルモン。画像の巧妙さも手伝って、私はAbbyを1つも疑っていなかった。……が、初めての疑念が芽生えたのも、巧妙な画像からの流れであった。
「Abbyはまず髪を作る」の1時間ほど後に送られてきたのは、高級ブランドショップの画像である。「Abbyは今バッグを買いにいくつもりだ」というメッセージと共に、マカオにあるという高級ブランドショップが写し出されていた。
「並んでいる」と言ったかと思えば「Abbyは招待されたから並ばなくていい」と支離滅裂な発言をするAbby。ただ、こんな現象はしょっちゅうなので、逆に怪しさは全く感じない。これが「カタコト マジック」の恐ろしいところである。
・初めての違和感
さて、入店したAbbyからは、店内の様子を収めた画像が送られてきた。聞かれてもいないのに「Abbyにはブルーやピンクが似合いそうです」などと のたまう私は完全にバーチャルデート気分。実はこの時、少々飲んでいたこともあり、完全に “ロマンティック浮かれモード” に突入していた。
が、これまで機能していなかった “危機回避センサー” が動き始めたのも、まさにこのタイミング。バッグを購入したAbbyが「バッグの支払いを暗号通貨で済ませた。3285usdt支払いました」と告げてきたのだ。
その流れで「日本では暗号通貨で買い物ができますか?」「日本の円安のニュースを見た」などと続き「ところで、サンジュンはどのように資金を管理していますか?」と切り込んできたのである。
どれだけストレートな物言いの海外セレブであろうと「金の話 = 詐欺」と考えて間違いない。Abby……そうだったのか。鳴り響く非常警報。徐々に冷静さを取り戻しつつも「結局これはどんな詐欺なのか?」とわからずにいた。
・ようやく詐欺だと気付いた……のだが
やがて「マカオ 詐欺 インスタ」「セレブ 詐欺 暗号通貨」などのワードで検索を繰り返した結果、辿り着いたのが『国際ロマンス詐欺』というワード。その手口は一連の流れとほぼ同じで、違うのは「被害者の大半が女性」ということである。
私の職業はライター。すぐに「これは大ネタになる」と確信し、ここから先は騙されているフリをすることに決めた。麗しいAbbyの画像を悪用した詐欺師どもを許すわけにはいかない。覚悟するがよい、Abbyの裏にいるニセAbbyどもよ。だがしかし……。
頭では詐欺と理解していながら、揺れ動く感情。1度分泌を始めた恋愛ホルモンは、そう簡単に収まってくれない。ここからの数日間、私はニセAbbyと同時に “私の一部” とも戦っていた。国際ロマンス詐欺の真の恐ろしさは、まだ始まったばかり。続きは3ページ目へどうぞ。
参照元:NHK
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
ScreenShot:LINE(iOS)
P.K.サンジュン

















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