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2016年3月25日、いよいよプロ野球が開幕する。何かと暗いニュースが多いプロ野球だが、ファンの信頼を取り戻すにはグランドで勝負するしかない。今回は昨年のペナントレースを3位、クライマックスシリーズを2位で終えた千葉ロッテマリーンズの展望をお届けする。

・リリーフ陣は強力

まずは有利な点から。ストッパーの西野をはじめ、益田・松永・大谷・内と勝利の方程式は出来ている。特に虚弱体質とも言われる内が、開幕から計算できるのは心強い。中継ぎ・抑えに関しては、パリーグ屈指の強力リリーフ陣といえるだろう。

次に外野陣。角中と清田の枠は確定で、残り一枠を、荻野・加藤・伊志嶺・岡田らが争う。荻野が一年を通して出場出来れば心強いが、内と同じくフルシーズンで稼働したことがないのが弱みだ。ただし層は厚いため、そこまで神経質になる必要はないだろう。

捕手は昨シーズン、田村が117試合、吉田が65試合、江村が14試合に出場したが、今年も同じような展開となるハズだ。まだ3者とも正捕手としての決め手に欠けているが、そろそろ今シーズンあたりは伊東監督による固定が始まるかもしれない。

・内野陣は不安が大きい

今江とクルーズが抜け、不安が大きい内野陣。ナバーロを獲得したものの、守備面でも打撃面でもスケールダウンした感は否めない。2人の穴は、中村・細谷・三木らが争うが、特にパンチ力十分の細谷には期待したい。また3年目の “アジャ” こと井上もオープン戦から打撃が好調だから、こちらも期待だ。

涌井・石川・スタンリッジ・大嶺・二木(ふたき)と、5枚が確定している先発陣。ただし、昨年ようやくプチブレイクした大嶺に過度な期待は厳禁だ。二木も大ブレイクするポテンシャルは秘めているものの、まだ高卒3年目であることを考えれば、1年を通した体力など不安は残る。

・ドングリーズから脱却せよ!

千葉ロッテに総じていえるのは、ファンから「ドングリーズ」とも呼ばれる、飛び抜けた数字を残す選手が出てこないこと。つまり、昨年の清田、首位打者を獲得したときの角中のように、大ブレイクする選手が極めて少ないのだ。

キャプテンの鈴木大地をはじめ、荻野・加藤・伊志嶺・中村・細谷・三木……など、いい選手は多くいる。だが突出した存在にはなれていない。筆者はロッテファンだからこそ厳しく言うが、ソフトバンクという飛び抜けた存在に勝つためには、野手でもう2人は覚醒が必要だ。

・唐川侑己

さらに先発は、古谷・チェン・イデウン・藤岡らが控えるが、こちらもロッテ気質のドングリーズ。特に唐川! 今頃は最低でも10勝、普通に15勝、上手くいけば20勝はするエースになっているかと思いきや、すっかりドングリーズ入りしてしまっている。唐川……お前なんだ唐川……! 俺は信じてるぞ、唐川……!!

……と、少々熱くなってしまったが、打たないときはサッパリ打たず、打ち出すと止まらないロッテ伝統のムラッ気は今年も健在だろう。という意味で最下位も十分にあるが、超強力ソフトバンクを引きずりおろせるのは、ハマったときのロッテだけだとも思っている。ファンは2000本安打達成を控えた福浦様を心の拠り所に、穏やかな気持ちで見守ろう。

執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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▼昨年の好珍プレー。

▼二木は大ブレイクの可能性がある。ニキではなく、フタキだ。