2020年3月、元阪神タイガースの鳥谷敬(とりたに たかし)選手の千葉ロッテマリーンズ入団が発覚した。新型コロナウィルスの影響で開幕が延期されたことはあるにせよ、キャンプ終了後の入団は異例中の異例。まさに “電撃入団” と言える。

阪神を自由契約になってから、鳥谷の千葉ロッテ入団説はまことしやかに噂されていたが、千葉ロッテファン歴25年の私、P.K.サンジュンは「別にいらんわ」と考えていた。だがしかし、入団が決まったなら話は別。全力で応援するし、以下の上中下ランクのことを鳥谷には期待したい。

・必要ないと思っていたが

井口資仁監督と縁が深いこともあり、かねてから鳥谷の千葉ロッテ入りは噂されていた。年俸や成績については置いておいて、私が千葉ロッテに鳥谷が不必要だと考えていた理由はズバリ「だったら有望株の若手を使って欲しい」というものだ。


というのも、以前の記事でご紹介した通り、ここ数年の千葉ロッテは神がかり的なドラフト運を発揮し、鳥谷と同じ内野には高いポテンシャルを秘めた若手が多い。中村奨吾、平沢大河、藤岡裕大、福田光輝……などなど、近い将来チームの中核を担ってもらわなければ困る選手ばかりである。

鳥谷の実績にケチをつける気はサラサラないが、38歳であることを考えれば若手を使って欲しいと願うプロ野球ファンの方が多いことだろう。それでもマリーンズのユニフォームに袖を通した以上、私は鳥谷を全力で応援する。以下で鳥谷に期待したいことを3段階で記していきたい。


・下: 若手の良き見本となって欲しい

井口監督が「鳥谷の練習量はおそらく現役No.1」と言う通り、鳥谷はメチャメチャ練習することで知られている。過度な練習がイイのか悪いのかはさておき、その姿勢やプロフェッショナルとしての生き様を、ぜひ千葉ロッテの若手たちに伝えて欲しい。

ここ数年はわからないが、かつての千葉ロッテは練習がぬるいことで知られていた。移籍してきた選手が「ロッテはこんなに練習しないのか」と驚いたという逸話もあるほどである。井口監督就任以来、そんな空気は無くなったように見えるが、ぜひ鳥谷で「ぬるいロッテ」にトドメをさして欲しい。

・中: 代打の切り札になって欲しい

ここ数年はなかなか成績が伴わない鳥谷だが、環境が変われば2000本安打を達成した打力が復調する可能性はある。また、阪神という異常なプレッシャーのかかるチーム(悪い意味ではない)よりもロッテの方が、リラックスしてプレイできるのではなかろうか。

1軍の戦力として現実的に考えた場合、まずは代打でも起用が濃厚だ。バッティング技術はもちろんのこと、過去16年のキャリアをここ一番で発揮できれば「代打の切り札」的な存在になれる。鳥谷には “流れを持ってくる一打” を期待したい。


・上: キャリアハイの狂い咲きを熱望

先ほど、ロッテには有望な若手が多いと述べたが、逆に言えば誰も確固たるポジションを勝ち取っていないドングリーズである。それでも同じ成績なら伸びしろのある若手の起用をお願いしたいところだが、鳥谷がキャリアハイくらいの成績を残してくれるなら、何の文句もない。むしろ鳥谷ユニフォームを着て応援する。

願わくば、かつて楽天に移籍してからHR王を獲得した山崎武司のように、育成選手から不死鳥のような復活を遂げた中村紀洋のように、36歳でメジャーに挑戦し、結局7年も第一線で活躍した斎藤隆のように、狂いに狂い咲いて欲しい。阪神ファンによる「なんで鳥谷出したんや騒動」が起きるレベルの活躍を期待する。


というわけで、鳥谷には上述の3段階で期待したいと思う。現在のところ「頑張って欲しい」とは口では言うものの、心の中では「厳しいっしょ」と思っているプロ野球ファンの方が圧倒的に多いハズ。かくいう私もその1人だが、ロッテ入りした以上、全力で応援することはここに誓う。シーズンオフに見くびっていたことを土下座させてください。

参照元:日刊スポーツ
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.