コロナが登場する少し前の2019年夏、私はミズオオトカゲを探しにバンコクの船に乗るという記事を執筆した。今回約3年ぶりにバンコクを訪れた私の心配事は、もちろん大好きなミズオオトカゲたちの安否である。

コロナ禍のタイは鎖国状態が続いていたが、アイツら元気でやってたんやろか? 一部報道によればバンコクでは、時おりミズオオトカゲの駆逐作戦が決行されているのだとか……ヒーーーン! 心配だよぉ〜!!! ってことで3年ぶりにバンコクの船着場へやってきたぞ!

・雨季まっただ中

3年前と同じく、カオサンロードからほど近い『Panfa Leelard Pier』船着場を東へ向かうルートを進む。

前回は開始早々このへんにミズオオトカゲが浮いていたのだが……今日は気配なし。ひとまず船に乗り込むとするか。

路線船はルートによって電車やタクシーより早く目的地へたどり着ける。おまけに安くて楽しいので、バンコクへ来たらぜひ乗ってみてほしい。川面が見渡せる席を陣取って、いざ出港〜!

出発から10分……よ〜く目をこらしても、なかなかミズオオトカゲの姿は見えない。聞けば現在、雨季の影響でバンコクの河川は水量が増しているようだ。まさかミズオオトカゲたち、溺れてやしないだろうか? 心配だよ……!

川での捜索を諦めかけたその時……


アーーーーーーッ!!!!! お分かりだろうか!?



配管をノッソリ歩くミズオオトカゲ発見ーーーー!!!!


この日、川辺で見つけたミズオオトカゲはこの一体のみ。バンコク中心部の河川には今もミズオオトカゲが息づいているようだが、「この3年間無事だったのか」という謎の答えは、まだ出たとは言えない。


・そういうわけなので

私は中心部から足を伸ばし、バンコク市民の憩いの場『ルンピニー公園』へ来てみた。日本大使館からもほど近いこの公園は、かねてより “ミズオオトカゲの天国” として知られる。

なお、この日の気温は35度。思わず蜃気楼が見えそうな暑さに、別の意味でミズオオトカゲたちが心配になる。アイツら干からびてへんやろか……心配だよ。


…………おやっ? あれは……ネッシー!?



いやミズオオトカゲだ!!! 開始1分で第一ミズオオトカゲ発見!!



その後はそっちにも……



あっちにも……


ワッ! こっちはミズオオトカゲの住処だァ!!! 彼らは人間に対してそれなりの警戒心を持っているが、人なつっこい個体はかなり近距離へ近づいても逃げない場合がある。ただしミズオオトカゲに噛まれる事例も発生しているようなので、ほどほどの距離を保ちつつ愛でることを心がけたい。

ルンピニー公園は今もミズオオトカゲの楽園だった……これでひと安心だよ! 確実に彼らと遭遇したい人はここへ来れば間違いないだろう。


・ちなみに……

なお私はこの後しばらくして川沿いのホテルへ引っ越ししたのだが、ここはラッキーなことに玄関わきに住み着いている子供のミズオオトカゲがいた。

おはよう、今日も会ったね!

この堂々とした歩み……日本へ連れ帰りたい気持ちをグッとこらえる。

おやっ、トコトコとお出かけですか?

クー! ジッと川を見つめる眼差しが美しい〜!! ここバンコクはまさにトカゲ好きのパラダイス。今回の調査の結果、ミズオオトカゲたちはコロナ禍をどっこい生き抜いていたことが判明した。また来るからね! 元気でいてね〜!

現場からは以上です!

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.