タイにスシローがあるらしい。「なにも海外でスシローへ行かんでも……」と最初は思うのだが、そういったセオリーを超越した次元に “スシローを想う気持ち” は存在する。タイだろうが日本だろうが関係ない。いつだってスシローへ行きたいんだ、我々は。

おまけに日本で愛用していた『スシローアプリ』をそのまま使って予約ができるとのこと。近くの店舗はどこも「待ち時間ゼロ」と表示されたが、油断するとイタ〜い目をみるのがスシローだ。ここはガツンと予約を入れちゃうもんね〜!

・ここ本当にタイですか?

今回訪れたのはバンコクの巨大モール『セントラルワールド』内にある店舗。コロナ禍の昨年3月にオープンしたようなので、主な顧客は観光客ではない、ということになるだろう。さっそく予約へ進むと……

「日本以外の国では、まいどポイントは付与されません」の表示が! タイへ来てまで『まいどポイント』を貯めようとする猛者など……いないとも言い切れない。

あっ!? 「ただいまの時間は直接店舗へお越しください」だって! このとき時刻は14時30分。確認したところ、この日は16時以降の予約のみを受け付けているようだ。日本ではどの時間帯も予約必須なスシローだが、現在のタイではさほど混み合ってはいない様子。

言われなきゃ絶対にタイとは分からない入り口をくぐると……

店内はもっとタイっぽくないからビックリするなよ。

ゆったり仕切りのあるカウンター席。

見慣れた注文パネルはもちろん日本語表示が可能だ。

いつもの分量でお茶をつぐ。

ここは「バンコクのスシロー」じゃなく、あくまでも「スシロー バンコク店」なんだなぁ。


・見慣れぬメニューを発見

タイのスシローでは一番安い40バーツ(約150円)の皿を皮切りに、60、80、120バーツ……と皿の色で金額分けされている。日本のスシローより少し割高だが、ここが海外であることを考えれば安すぎるくらいだ。

メニューは日本のスシローとほぼ同じに見える。とりあえず大好きな『あじ』と……

初めて聞く『白鉄火』なるものを注文。価格は普通の『鉄火巻』の2倍もするが、一体何者なのだろう?

40バーツの『真あじ』は身がしまっておいしい。日本のスシローだとアジは小ぶりなものが主流だが、タイでは大きいアジが釣れるのだろうか?

で、お待ちかねの『白鉄火』がこちら。

なるほど……マグロの代わりに白身魚が巻いてあるから『白鉄火』というワケだな。

中身はブリだろうか? (※ のちに『ひらまさ』と判明)大葉と白ゴマも織り込んであり、確かに高級感が溢れている。考えてみれば「鉄火巻きはマグロ」って誰が決めたんだろ? 別に白身でもタコでもいいじゃないか……ねぇ?


・マニアに聞いてみた

日本のメニューを確認すると現在『白鉄火』は販売されていない様子だが、念のため当サイトのスシローマニア・中澤記者に意見を求めてみることにした。タイと日本の時差はわずか2時間。気軽に連絡できるのが嬉しいよね〜!


中澤「白鉄火は以前『大九州展』のキャンペーンで登場したことがあります。たしか長崎県のご当地寿司だったかな?」


お、そうだったのか! やはり持つべきものはスシローマニアの同僚である。現在タイのスシローでは『全国うまいもん市』が開催されており、白鉄火や真あじは限定商品らしい。日本でも激レアなメニューをタイで食べられるとは……スシロー、奥が深いな。

あとは日本で限定商品だった『マーラーソース』シリーズがグランドメニューとして多数販売されている点も「タイならでは」と言えそうだ。

『マーラー赤えび』(40バーツ)はウマいが、マーラーというよりオーロラソースに近い仕上がり。

それからコチラもグランドメニューの『極上カニカマ』(40バーツ)。シャリにカニカマを乗っけただけにしか見えないが、マジでシャリにカニカマを乗っけただけである。アジア圏の人って本当にカニカマが好きなんだなぁ……。


・続マニアに聞いてみた

……とまぁ、タイのスシローの変わりダネはこんな感じである。さぁ、ここからは普通に好きなネタを食べさせていただくことにしよう。

まず大好きな『いか』(40バーツ)……最高。

私が毎回必ず注文する『丸ごと海老の天ぷら』(120バーツ)も日本と同じクオリティ。なお海老天にもマーラーソースバージョンがある。

味噌汁は量が少なめ。そろそろお腹がふくれてきたので次をラストとするか。

……おやっ!? なんだあのデカいネタは? アナゴ??


違う、イワシだ!!! スシローのイワシってこんなにデカかったっけ?


比べると全長がシャリの3倍くらいある……これは再びスシローマニアに意見を求めるしかねぇ!


中澤「う〜ん。『塩〆いわし』だったらありえるサイズかな、と思います。スシローでは塩〆にするサイズと酢〆にするサイズが違うんですよ。ただコレが『真いわし』なら相当デカいですし……まぁどちらにせよ、楽しそうで何よりです!」


……ちょっと奥が深すぎてウカツなコメントはできないスシロー界隈なのであるが、バンコクのスシローが日本と同等の顧客満足度を叩き出しているのは確かなようだ。(今回私が食べたのは『〆いわし』)

現在日本では『全国うまいもん市』が開催されていないので、日本と海外のスシローではキャンペーンの内容が異なるとみて間違いないだろう。スシローといえばお気に入りのメニューがすぐ姿を消してしまうことで知られるが、「海外へ行けば食べられる」可能性があるわけだ。

ってことでコアなスシローファンこそ、あえて海外でスシローへ行くべし! 私はあと3回行っちゃうもんね〜!

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

▼レーンを回る皿の数が多い

▼タイ語表記の奥ゆかしさ