近頃は、電子書籍の話題が頻繁に取り沙汰されています。しかし「本」がこの世のなかから、なくなってしまうことはないでしょう。なぜなら、本の魅力は書店にもあるからです。お目当ての作品を探すのはもちろんのこと、どれともなく自分に相応しい一冊を探すのは、至極の楽しみ。またたくさんの書籍に囲まれて過ごす時間は、ときに贅沢とさえ思えるものです。

それが世界でも指折りの書店だったとしたら、あなたはどのように感じるでしょうか? これらは電子書籍では味わえない類のものです。今回はポルトガルにある世界で三番目に美しいといわれる「レロイ・イ・イルマオン書店」をご紹介したいと思います。

1869年創業のこのお店は、ポルトガル・北部の港湾都市ポルトにあります。創業当初の場所から1906年にのカルメリッタス通り沿いに移転して以来、現在も営業を続けています。外観の印象からでは、内部の雰囲気をつかむことはできません。しかし一歩店内に入ると、そこはまるで映画『ハリーポッター』の世界観そのものなのです。

実は同作の作者J・K・ローリング氏はこの街に住んでいたことがあるそうです。実際に作品の撮影も行われたのだとか。したがって、映画の世界観を感じるのは自然なことなのです。数多くの書籍を眺めていると、なんだか魔法が使えるような気さえしてきます。記者は、歴史ある書店の棚を埋める書籍を眺めながら、時が経つのを忘れてしまいました。

ちなみに「世界で三番目」といわれるのは、2008年にイギリス新聞による「The world’s 10 bset book shops」によって発表されたものに基づいています。これよりも美しい書店があるとは、とても想像がつかないのですが、世界にはここだけではなく、素晴らしい書店がいくつもあるようです。やはり電子書籍ではこうはいかないだろうと、強く確認した次第です。ポルトガルを訪れる予定の方は、レロイ・イ・イルマオン書店で時が経つのを忘れてみませんか?

なお、今回の撮影は特別に許可を頂いたもので、普段は内部の撮影は禁止されています。観光で行かれる際は、その目に焼き付けてください。

取材、写真:Photographer Koach
執筆:フードクイーン・佐藤
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▼ 2F見た1Fの様子

▼ 地元ポルトの作品コーナー

▼ 店内にはレールが敷かれている

▼ カートを使って本の整理を行っているようだ

▼ 大きく「L」と書いてあるのはレロイ・イ・イルマオンの頭文字。「DECUS IN LABORE」とはラテン語で『奉納は労働なり』という意味

▼ 店舗外観

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