このコロナ禍で、ネット配信に関するサービスは全体的に賑わいを見せている。やはり外出自粛が大きく影響しているのだろう。イベントやコンサート1つとっても、ネット配信にシフトせざるを得なかったケースがいくらでもあるのだから。

さて、そんな状況の中、3月の終わり頃から私(佐藤)もYouTubeの個人アカウントを活用すべく動き出したのだが……そう易々(やすやす)と出来るものではないと、今さら気づいた。毎日動画をアップするYouTuberは本当にすごい! と思い知らされたものの、そのままYouTubeの世界を見なかったことにするほど私は情けない男ではない!! 

1から勉強を始めることにした。しかし……ささいなことで恥ずかしさを感じてしまったのだ。こんなことでは、まだまだだな……。

・YouTube関連の本がめちゃめちゃある

当初、私はネット上の情報だけで何とかしようと思った。ところが、内容が一向に頭に入ってこない。どうやら40代も半ばを過ぎると、自分でも驚くほど覚えが悪くなっているようだ。そこで書店に行き、書籍を物色した。すると、今はたくさんあるんだよ、YouTubeに関する本が。

私が見た範囲では、そのほとんどが似たような内容。ビックリするのは、「YouTubeの見方」から話が始まっている本があること。「動画を再生してみよう!」とか書いてある。マジかよ⁉ と思ったのだが、そこから話を始めないといけない人だっている訳だ。


そう言ってる私だって、ネット初心者と大して変わらないかもしれないが、さすがに「動画を再生してみよう!」の段階ではない。そこでさらに物色したところ、実務レベルの内容に触れた書籍を発見した。その本の執筆者は知識ゼロからYouTuberになり、日本の文化を海外に向けて発信しているという。なんでも、アカウントのチャンネル登録者数は数十万人いるらしい。

ちなみに同じような謳い文句「知識ゼロから〇万人! 私が人気YouTuberになった方法」みたいな本も、めちゃめちゃある。もしかしたら、どれを読んでも同じだったのかも……。


・実践するのに課題が多すぎる

とはいえ、そのノウハウは役立つものだ。ただ問題は、私にとっては難易度が高すぎて、たやすく真似のできるものではなかったこと。たとえば1年間のスケジュールを決めるとか、配信予定の内容は50本以上挙げておくとか、英語の字幕はあった方がいいとか、配信日時はなんとしても死守するとか……。

わかる! 多分そうした方がいいんだろう。それはわかる! わかるんだけど、始める前から課題山積みで、どれから手をつけていいのかサッパリわからん!!


このままでは、先に進めない。少なくとも自分に出来ることと出来ないこと、やりたいこととやりたくないこと、準備の足りているものと足りていないものを書き出す必要がある。それから覚えきれない事柄もある。だから、ノートを買って勉強することにした。そこには、戒めの意味を込めてこう記した。


「おれのYouTubeノート」


無知である自分を知るがいい。そういう思いで、表紙に記したのだ。


このノートは、カバンにいつも入れている。気づいたことをすぐに書き留められるようにだ。街中で何かヒントに出会うかもしれない。ふとアイディアが降りてくるかもしれない。


だが! アイディアが降りてきたその瞬間に、ノートをカバンから出せたことが1度もない。カフェでひと息ついている時など、「あ、こうしよ!」と思うことがあるものの、カバンからノートが出せないのである。なぜなら……


表紙を人に見られるのが恥ずかしいからだ……。


いいオッサンが「おれのYouTubeノート」って……。誰もそんなこと思わないかもしれないのに、ためらう自分がいる。こんなことで恥ずかしいと感じているようでは、まともな動画なんか撮れないだろう。私の道のりはまだまだ険しい。人気YouTuber、マジで雲の上の存在である。


執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24