10月3日は何の日? ドイツ統一の日であり、登山の日であり、そして『アンパンマンの日』! 1988年10月3日にTV放送が始まったことから、この日がアンパンマンの日となったのである。

さて、この記念すべき日にアンパンマンの絵本30作の電子書籍化が発表された。それも現在、入手困難となっている初期シリーズだ! ということで、今回は知ってて読むと2倍も3倍も面白くなるアンパンマン雑学を紹介したい。

・アンパンマンの正体が衝撃的

皆さんご存知のとおり、アンパンマンの顏はジャムおじさん特製のアンパン。中身は粒あんだ。だがその体は……? 公式サイトによると

「アンパンマンは生まれた時から服を着ていました。誰も身体を見たことがないので、何でできているのかはわからないのです(公式サイトより引用)」

アニメ第1話を収録した絵本『アンパンマンたんじょう』を見てみると……たしかに! パン焼きがまにいのちの星が入って、いきなりベビー服を着た赤ちゃんアンパンマンが登場している。アンパンマンって一体何者なんだ?

・第1話のゲストはまさかの……

アンパンマンの仲間といえば、やっぱりしょくぱんまんにカレーパンマン? いつも一緒にパトロールをして平和な世界を守ってるよね!

だがアニメ第1話で初めてばいきんまんと対峙し、アンパンマンと共に戦ったのは彼らではなく……てんどんまんだ! いつも食べられてばかりのてんどんまんも、第1話では彼のアイディアでばいきんまんをとらえてしまうという大活躍ぶりである。

・ジャムおじさんとバタコさんの関係は?

以前の記事でもお伝えしたが、2人の関係はズバリ「無関係」である。ひとつ屋根の下に無関係の人間が……いや、人間でもない。彼らは妖精なのだ。いろいろツッコミどころがあるアンパンマンワールドだが、この人たちフェアリーか~と思いながら読むと、わりと胸にストンとくるのが不思議である。

・アンパンマンワールドNo.1のモテ女子

アンパンマンワールドの恋模様といえば、ドキンちゃんとしょくぱんまんだが、一番のモテ女子というとドキンちゃんではなく……バタコさんである!

作中で、何度も「最もキレイな心を持つ人物」として描かれているバタコさん。激しいところではたぬきおに、初期のかつどんまんも憧れていたという。ではバタコさんは誰かに好意があったのかというと……おむすびまんだ。

おむすびまんもバタコさんを想っていたようだが、アニメでは2人の恋模様はいつの間にか描かれなくなってしまった。あの甘酸っぱい感じを楽しめるのは初期ならでは。とくに『バタコさんのたんじょうび』は大人になってから読むともうヤキモキが止まらなくなる!

・最も泣ける話はどれ?

劇場版は大人もガチで泣けるといわれるアンパンマン。TVシリーズでは泣ける話はないのだろうか……ある! よく名前があがるのが初期に放送された『アンパンマンとゴミラ』だ。

ゴミを食べて生きる“ゴミラ”。街のゴミを食べ、人の役に立つことを喜んでいたところ、ばいきんまんに巨大化&狂暴化させられてしまう。アンパンマン達の活躍により理性を取り戻したが……その後の展開が何とも物悲しくて泣けてしまうのだ。

アンパンマンというと幼児向けでコミカルという印象が強いが、初期は特に泣ける話や考えされられる話も多く、親になったからこそ読んでおきたいものも多い。

──以上である! 

いかがだろうか? 私はアンパンマンを読むのは3周目だ。1周目は自身が子供の頃、2周目は高校生の頃になぜかハマり、3周目はいま親となって子供と一緒に読んでいる。読めば読むほど、設定が作りこまれていて大人が読んでも奥深い作品だと感じる次第である。

なお上記で触れた作品は電子書籍化した30冊に含まれている。気になる人はKindleや楽天Koboなど取り扱い書店をチェックしてみよう。そもそも絵本の電子書籍ってありがたい……紙の本を持ち歩くのは大変なので、小さなお子さんがいる方は1~2冊スマホに入れておくと便利で良いかもしれない!

参照元:フレーベル館アンパンマン公式サイト
執筆:沢井メグ
Photo:フレーベル館,used with permission.