「更科」の記事まとめ
蕎麦好きの祖父の影響で、幼少時代より蕎麦が好きだった。やがて高校生になり、蕎麦好きが高じて蕎麦屋でバイトを始めた。
蕎麦は好きだったが、詳しくはなかった。毎日のように蕎麦が食えて、バイク(カブ)に乗れたらいいなと思うくらいだった。その蕎麦屋は、更科(さらしな)だった。私は更科の意味さえ知らずに働いていた。昼のまかないは、更科そばだった。
ということで今回の蕎麦は、以前にも登場した信州ほしの『小諸七兵衛』シリーズの更科版、『信州 小諸七兵衛 更科そば』である。
「家そば放浪記」というワードで検索(エゴサーチ)してみると、ありがたいことに読者様たちがつぶやいているオススメ蕎麦が丸わかりになる。アレが良い、コレが良い、絶対に食べるべきは●●蕎麦である、みたいな。
それらの中でも、複数人が推している蕎麦があった。それこそが滝沢食品『滝沢更科 十割そば』である! なにせ複数人。期待できる!!
スーパーで買うパスタ、うどん、ラーメン、つけめん、そうめん、やきそば……ほとんどすべて、お店の味が再現できるほどにまでクオリティが高まっている……と思う。
それに対して、そばはどうだ。まずくはない。だが、どうしても「家そば感」から抜け出せなていないような気がするのだ。「お店のそば」と「家そば」の差は歴然としており、イチローとニッチローくらいは違う。
「お店の味を家で」なんて贅沢は言わない。だが、せめて「家そば」の「家」を出るくらいのそばが食べたい。たくさんあるうち、どれが「店に近いそば」なのかを知りたい。当連載は、その答えを知るために始まった。