当連載を始めて以来、さまざまなお便りというかリクエストが届いている。「●●●を試してください」的なものだ。その中でも、最も多くの人から名前が挙がった蕎麦がある。信州ほしの『信州田舎そば 小諸七兵衛』だ。

一体なぜそんなにも支持されているのか? ネットで調べてみると、どうやらテレビ番組で紹介されたらしく一気に人気が爆発してバカ売れ → 品切れが繰り返される状態に。人はその蕎麦を「伝説の乾そば」とも呼んだ。

まぎれもなく王者。いや、長らく日陰にいた末に実力だけで獲った栄冠なので、なんとなく「路上の伝説」ならぬ「そば棚の伝説」感すら漂っている。こいつは心してかからねば……。期待を胸に、いざ尋常に──!


デカい鍋にたっぷりの湯を沸かし、


4〜5分茹でて……


ハイ完成。


して、そのお味は──


ほぉ……。さすが、リクエストが多いだけのことはある。とにかく “田舎そば感” がスゴイ。麺の形状も良いし、喉越しも良いし、食べれば食べるほど滲みてでくる蕎麦感も最高。ファンが多いのもうなずける。


しかし、「家そば」か「外そば」かで言えば、「ギリ家」とのジャッジをしたい。非常に美味いのだが、ちょっと私の思う「外」ではないような気がするのだ。だが、その完成度はすさまじいので、一度は食べておいて損はないだろう。

たしかにその蕎麦は、伝説だった。ただ、わたし的には家そばだった。口に含んで目を閉じた時、家にいた。言うならば、「家そばの伝説」なのかもしれない──。


執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24