「トイレを見れば、企業が見える」──。この20年で、日本におけるトイレ事情は大きく変わった。トイレの快適さが与える影響力の大きさを、私たちは知ったのだ。そして、そんな昨今の日本のトイレに欠かせない存在となったもの……それはトイレ用擬音装置、通称:音姫である。
用足しの際の音をかき消すこの「音姫」は、日本人の “恥じらい” と “察し” の文化ならではの発想に基づく、実に奥ゆかしい機能である。昔話『浦島太郎』の「乙姫様」を彷彿とするその名前も風流だ。しかし……! “音” は本当にかき消されているのだろうか?