「翔んで埼玉」にまつわる記事
ネガティブなイメージを逆手にとって、上手く商品に結びつけたスーパーマーケットがある。そのお店「みどりスーパー」は、映画『翔んで埼玉』の名台詞を生かして総菜にしてしまったのだ。その名も「そこらへんの草天丼」である。
映画のテレビCMで何度も繰り返し流れたあの台詞、「埼玉県人には、そこらへんの草でも食わせておけ」をそのまま形にしてしまったらしい。草なのか? ほんとにそこらへんの草なのか!? 真相を確かめるために購入して食べてみると、春の香りを感じることができた……。
そこのキミ! 劇場版『翔んで埼玉』はチェック済みだろうか。記者は公開初日に見に行き、非常に満たされた気持ちで映画館を後にしたのだが、ひとつだけ引っかかっていることがあった。「ゼリーフライってなんぞ?」
主題歌『埼玉県のうた』の中で、はなわさんが「おやつはゼリーフライ~♪」と歌っていたのだ。ゲル状の、あのゼリーを揚げているのだろうか。気になり過ぎて、食べものと飲みものしか喉を通らないYO!! そこで百聞は一見に如かずと、ゼリーフライの名産地であるという埼玉県行田市に行ってみた次第である。
映画『翔んで埼玉』を鑑賞した約1時間後、私はKindle版の原作漫画をダウンロードしていた。映画があまりにもくだらなかった(褒め言葉)ために、原作はどれほどのレベルかと気になって仕方がなかったのだ。
そしてダウンロードが終了すると、即読書開始。「この漫画を今まで知らなかったなんて」 そんな気持ちで読み進めたところ……「え? これで終わり?」と思わずにはいられなかった。なぜなら、映画のクライマックスとも言える “あのシーン” が漫画には無かったからである。
映画のエンドロールが流れたとき、1人の観客が盛大な拍手をした。しかし1人だけだった。あとに誰も続かなかった。おそらく、あの劇場にいた多くの人は「この映画で拍手していたら恥ずかしい」と思ったのだろう。たった1人をのぞいて。そしてその1人も、「あ、すんません」という感じですぐに拍手をやめた。
──つまるところ、『翔んで埼玉』はそういう映画である。私自身、「みんな散々笑ってたのに……!」と思いながら、拍手はしなかった。「恥ずかしい」というのもあるが、「これほど、鑑賞後の拍手やスタンディングオベーションが似合わない映画はない」と思ったからだ。