訳あり。その言葉に惹かれるように、私は数年前から訳ありの福袋を購入しまくっている。中にはシャレにならないほど “訳あり” でお蔵入りになった福袋もあるが、逆にアタリで歓喜したことも多い。

たとえば、2年前にAmazonで購入した『価値ある訳あり 水産福箱X』は自分の中でかなりのアタリだった。なので今回リピしてみたところ……「そっちか！」となったので報告したい。

最初に重要なことを言っておきたい。その福袋のAmazonでの正式名称は「びっくりお楽しみ水産福箱X 価値ある訳あり水産品加工品・海産物・その他加工品をギュギュといっぱい詰め込みました」である。

Amazonの商品名は長いので覚えきれない人だっているだろう。私もそうで、いちいち覚えてはない。訳ありの干物とかが入っている福袋……というザックリした理解だった。

言い方を変えると、ナメていた。水産福箱Xの品揃えの幅広さを。上の商品名において大事なのは、最後の「その他加工品をギュギュといっぱい詰め込みました」の部分だったのだ。どういうことか。実際の開封画像とともに説明しよう。

・開けてみた

水産福箱Xを開封すると……

ほっけの干物

金華さばの干物

鮭の味噌粕漬け

さんまの干物

……この時点で、私は懐かしい気持ちでいっぱいだった。ちょくちょく見慣れないものがあるが、大体は2年前に食べたことがある。

あれは美味かったんだよな〜これも良かったんだよな〜と、まるで昔の卒業アルバムでも見るような気持ちで商品を取り出していたそのとき……！

誰だお前!?

エ、エビフライ!?

揚げる前のヤツ！

しかも……

マルハニチロ！

干物やら味噌漬けの中で、唐突にマルハニチロのエビフライ！　私は思わずAmazonの商品ページを確認した。そこで、「その他加工品をギュギュといっぱい詰め込みました」の真の意味を悟ったのだ。

たしかに、揚げる前のエビフライも “その他加工品” に違いない。2年前は干物と味噌漬けばっかりだったから、油断していたよ……。

さらにだ。この福袋の販売元は「仙台漬魚」。ネーミング的に味噌漬けやら粕漬けが多いんだろうな……と思わせておいてからの、エビフライである。軌道がまったく読めないカウンターに、思わずよろめいてしまった。

・生まれて初めての揚げ物クッキング

個人的な話だが、私は生まれてこのかた揚げ物を作ったことがない。1人暮らしが長かったので、揚げ物はスーパーの惣菜コーナーで十分間に合っていたわけだが、手元にあるからにはやらねばなるまい。

油の量などをググり、火をつけて……

どや！

味や衣などはすでに付いているので揚げ物の中で難易度は低いのだろうが、超初心者である私にとっては気合いのいる作業だった。

揚げ物に慣れている人であっても、「福箱の中身は焼けばOK」と油断しているときにエビフライを見つけたらテンパりかねないのではないだろうか？

水産福箱Xの購入を考えている人は、「そういうパターンもある」ってことを頭の片隅に置いておいた方がいいだろう。

ただ、開封して「え？」となったのはそのくらい。エビフライを含めて入っていた商品は普通に美味しく、とても訳ありとは思えないほどのクオリティであった。

また、賞味期限はもっとも短いもので2024年の4月30日まで。長いものだと、同年10月30日までだった。

ある程度の頻度で魚を食べる人なら、たとえ1人暮らしでも余裕かと思われる。

最後に、水産福箱Xに入っていた商品を一覧でまとめておこう。

【価値あり訳あり 水産福箱X（3300円）の中身】

・真ほっけ 開き干し（1枚）
・銀鮭仙台味噌粕漬（2切れ）
・金華さば開き干し（1枚）
・金華沖さんま開き干し（2枚）
・真たら仙台味噌粕漬け 切り落とし（400g）
・子持ち からふとシシャモ（9尾）
・ひれなが なめてカレイ煮付け（200g）
・冷凍エビフライ（8尾）

これがどれくらいお得なのか。販売元である仙台漬魚のホームページを見ても、個別販売の価格が表示されていない商品が多いので厳密には分からない。

ただ、他サイトでまとめ売りされているものを割り算してザックリ計算した結果、元は十分取れているように思う。

ちなみに、こちらの水産福箱Xの価格は3300円で、2年前の3000円から300円値上がりした形。ついでに、２年前に購入した同商品と並べてみると……

こんな感じ

2年前は圧倒的な鮭率にビビらされたが、今回は鮭もそこそこにエビフライ爆弾が仕込まれていた。

だから “訳あり” はやめられない。特にこの水産福箱Xは毎年ビビらせてくれるし、美味いしで、言うことなしだ。来年もリピ確定で。

参考リンク：Amazon「水産福箱X」
執筆：和才雄一郎
Photo：RocketNews24.