あなたはイナゴを食したことがあるか? 私(耕平)は小学生の時にイナゴを捕まえては醤油をつけて焼いて食べていたことを思い出す。大人になってイナゴの食べる機会は全くといっていいほど無くなった。

そんな昭和の時代は当たり前のように食べられていた国民的昆虫食が、令和の時代に調味料になっていた! しかもラー油にブチ込まれているという只事じゃない事態になっているらしい。その謎の調味料の名は『いなごらー油』

そのまんまのネーミングだが、味はいかに? 色んな食材にかけて試してみたので、忖度なしでレビューしていきたいと思う。

・商品到着

『いなごらー油』は東京・馬喰町にある「ANTCICADA(アントシカダ)」というレストランが開発した昆虫食の調味料だ。オンラインショップも運営していたので、今回は通販で購入。金額は税込1000円で送料別。


注文から1週間、商品が届く。


中を開けてみると、商品と……


お店のチラシが入っていた。


お店では昆虫食をはじめとした、珍しいコース料理が食べられるらしい。


他にも、コオロギを使用したラーメン、ビール、醤油をはじめとした珍しい商品がズラリ。


・いざ実食!

それではいよいよ、『いなごらー油』の実食に入ろう。


フタを開けてみると、イナゴと思われる物体がゴロゴロしている。


中身を皿に盛ってみると、見た目は佃煮に近い感じ。


想像ではイナゴがあの形のまま、丸ごとラー油に入っているものと思っていた。が、この『いなごらー油』では、頭や手足が処理されていて甲殻だけのイナゴに姿を変えている。

個人的には子供の頃に食べたイナゴの手足は、魚の小骨みたいな感じで好きではなかったので、丁寧な仕事に感心した。


ということで、さっそくイナゴだけを口に運んでみる。

うん、ラー油の味しかしない……。


まぁ、イナゴだけ食べたらそうなるな。ということで、エノキなどの他の素材も一緒に改めて一口。

おー、なるほどね。


食べるラー油の食感ストロングバージョンという感じで、もちろん味は美味い。しかしイナゴの甲殻の歯ごたえがありすぎて、どう食べても最後まで残ってしまうところが、好き嫌いの分かれ道になるだろう。


・色んな食材で試してみた

それでは、どんな食材に合うのか試してみよう。まずはスタンダードに白米と組み合わせてみる。


さっそく一口。

……正直、微妙。


いや、味は美味い。しかしながら、やはりイナゴの甲殻が後に残るのが、個人的に気になってしまう。正直ご飯だけで食べ進めるのは、個人的に厳しいような気がする。

そこで、この『いなごらー油』に合う食材をネットで探していたところ、この調味料の開発者である「ANTCICADA」代表の篠原祐太さんのツイートを見つけた。


そこには「卵かけご飯に乗せるもよし、餃子のタレに加えるもよし」と書かれている。ということで、まずは卵かけご飯にチャレンジしてみた。


まずは卵黄を潰して混ぜて……


掻き込む!

おー、これは美味い!!


個人的に気になっていたイナゴの甲殻の後に残る食感が、卵かけご飯のまろやかさと中和されてバランスが良くなった。そして意外だったのが、卵かけご飯とラー油の相性の良さ。卵黄とラー油の辛味と旨味が絶妙なバランスでクセになる味だ。これはハマりそう。


次に餃子で試してみよう。


餃子にラー油は一般的な組み合わせだが、『いなごらー油』との相性はいかに? 期待しつつ口に運んでみる。


なるほど……まず餃子のタレとの相性は普通のラー油には無いエノキの風味とうまく融合していて、これはこれで美味い。しかし気になるのは、やはり食感。

餃子の皮の焦げがある平面部分よりも、イナゴの甲殻の歯ごたえが勝ってしまっている。これによって主役である餃子に対して、脇役であるはずのラー油の方が目立ってしまっているのだ。なので個人的にはベストの組み合わせか? と聞かれたら疑問符が残る。


最後に「冷やしうどん」で試してみる。


具は「ほぐしチキン」と白ネギのみ。その上から麺つゆをかけて『いなごらー油』を乗せだだけのシンプルなレシピだ。注目すべきは冷たくてコシがある麺と、イナゴの甲殻の独特な食感との組み合わせ。どんな感じになるのか気になりつつ口に運ぶ。

お〜、これはいい!!


使っている食材が全体的に食感が柔らかいので、イナゴの甲殻が歯応えあっていいアクセントになっている。味もサッパリめのうどんに、ラー油がキリッと効いていてバランスもバッチリ! 調理方法も簡単なので、この調味料を手にすることがあったら、是非とも試してみてほしいメニューだ。


──食レポは以上だ。今回試したメニューの中で、個人的にこの『いなごらー油』と相性がいいのは「卵かけご飯」「冷やしうどん」の2種だった。割と食感が全体的に柔らかめの料理とは相性が良さそうだ。

ちなみに店舗には「イナゴラー油チャーシュー丼」というメニューもあるとのこと。肉とご飯という柔らかい食感の組み合わせなので、ぜひ食べに行ってみたいと思う。

参考リンク:ANTCICADA(アントシカダ)」
執筆:耕平 
Photo:RocketNews24.