カイコという昆虫を聞いたことがある人も多いだろう。カイコと言えば、繭(まゆ)から取れる糸からシルク(絹)が作られることは有名な話。だが、食用に使用されていることを知っている人は少ないのではないだろうか?

以前、私(耕平)は、昆虫調味料の「いなごらー油」にチャレンジしたが、今回取り上げるのは、カイコを使用した中華調味料の『カイコXO醬』だ。

見た目がちょっとグロ目の、この調味料。あらゆる食材に付け合わせて食べてみた結果、一番マッチしたのは、意外でシンプルなアレだった……。

・『カイコXO醬』のスペック

『カイコXO醬』は以前紹介した「おうちでコオロギラーメン」などを手がけている、東京・馬喰町にある創作料理レストラン「ANTCICADA(アントシカダ)」が2021年の夏に開発した昆虫中華調味料だ。


前述の「いなごらー油」同様、オンラインショップで購入。金額は税込1100円で内容量は80g。本来のXO醬に使用される干しエビに似た風味を持つ、カイコのサナギを使用。そこにタラやベーコン、玉ねぎなどの野菜をブランデーと紹興酒で丁寧に炒めて作られたとのこと。


さっそくフタを開けてみると……


なかなか見た目はエグいかも。そして、中身を取り出してみる。


紛れもなくカイコ。まさに「THE昆虫食」といった感じだ。


・いざ実食!

それでは実食に入ろう。まずは、そのまま食べてみる。


なるほど……クセの強いXO醬という感じで確かにカイコなのに、ほんのりエビの風味がある。個人的には食感も含めて「いなごらー油」より、こちらの方が好きかも。


次に「ご飯のお供」として、白米と食べてみる。


口に運んでみると……

おー、美味い!!


この組み合わせはアリだ。クセの強さが白米とベストマッチで、マジで何杯でも行けそうな気がする。


次に餃子のトッピングとして試してみる。


餃子の上に乗せて一口。


う〜ん、これはちょっと微妙かも。味的に餃子の具材とは相性が良くない気がした。クセが強い調味料なので餃子本来の風味よりもカイコXO醬の方が勝ってしまっているようだ。


次は唐揚げにかけてみよう。


たっぷり乗せて……


おっ! これはまぁまぁ合うかも。唐揚げの味にもよるかと思うがカイコXO醬に負けておらず、味の相性はバッチリ。食感も「いなごらー油」のように硬めではないので、ちょうどいいバランスだ。


そして、肉にも合うかどうか試すべく、アンガス牛のモモを焼いてみた。


「これは合いそう」と、期待しながら口に運ぶと……

そうでもなかった。


なんだろう……特に肉がカイコXO醬に負けているわけじゃないんだけど、単に肉汁との相性が良くないのか、微妙な結果に終わった。


他に合いそうな食材は何か? と考えながら、ふとフタに目をやると……

ら〜めん??


そうか、もしかしたらラーメンには抜群に合うのかもしれない! これは面白いかも……ということで、庶民のド定番「カップヌードル 醤油味」を買ってきた。


お湯を入れて、待つこと3分。


そこにカイコXO醬を乗っけて……


掻きこむ!

う〜ん、これも微妙……。


食材がカップヌードルだったせいなのか、今まで試した食材とは違い、カイコXO醬の方が負けてしまっている気がする。口に運んだ時は当然、カイコXO醬の味が入ってくるけど、その後に麺をすすり終わった後には、カップヌードルの味しかしない。ただ、ラーメンとの相性としては、他のラーメンであれば結果はわからない。検証方法が間違っていたかも?


・1番オススメしたい食材

ということで、そのまま食べるところから始まって、白米、餃子、唐揚げ、アンガス牛、カップヌードルにそれぞれトッピングして試してみた。その結果、一番相性がいいのは間違いなく白米だった。


あくまで個人的な感想だが、このカイコXO醬は昆虫中華調味料というより、「ご飯のお供昆虫食」の方がしっくり来る。もしかしたら他にも合う食材はあるかもしれないので機会があれば、また購入してみたい。


参考リンク:ANTCICADA(アントシカダ)
執筆:耕平 
Photo:RocketNews24.