ポテトチップスは じゃがいもをスライスして揚げたスナック菓子だ。うすしお味やコンソメ味、のり塩味や しょうゆ味が一般的である。期間限定の変わり種もいろいろあるけど、扱う調味料が変わるくらいで、どれでも大抵は味の想像がつく。
ところがまったく味の想像がつかない商品を見つけてしまった。その商品は「ももポテトチップス」だ。もも? そう、果物の桃である。果実のテイストがポテチに上手く乗るのかな? 一体どんな味なのか、気になったので確かめてみた……。
・桃をポテチに!?
この商品は東京・日本橋の「日本橋ふくしま館 MIDETTE」で遭遇したものだ。
陳列されたポテチの山を見て、思わず二度見してしまった。桃のポテチだと!?
どうして桃を……。変わり種のなかでも特に変わっている。だって、普通はもっと濃い味のものをポテチにすると思うんだけど……。
実際カルビーの2020年のご当地商品を見てみると、たとえば宮城県は「仙台牛の炙り焼き味」、神奈川県は「横浜家系ラーメン味」、沖縄県は「タコライス味」など、強い味の料理をポテチで再現している。味の繊細な桃を原材料に使うのは、難しかったはずだ。
通販サイト「47クラブ」には、商品開発のエピソードが紹介されている。開発を手掛けた「福島県農業女子ネットワークメンバー」は、「最初に桃の香りと味がして、後にポテトチップスの味に落ち着く」ように、何度も試作と試食を繰り返したのだとか。そうしてできたのがコレ! 1袋120グラム、価格は税込432円だ。
原材料を見ると、「ももパウダー」と「ももピューレパウダー」(福島県産)と表記がある。先に挙げた農業女子メンバーは桃の栽培から携わっているそうだ。正真正銘、福島産のポテトチップスという訳だ。
・桃 → ポテチ
袋を開けると、ほのかに香る甘~いかおり。
う~ん、癒される~! 我が人生でもっとも果実味の香るポテチかもしれない。
匂いは甘いけど、それ以外はごくごく普通のチップスだ。本当に桃のテイストはするのか?
口に入れると、ファーストインパクトは……。
ネクターの味がする!
不二家のフルーツドリンク「ネクター」を思わせるような甘さがある! これはちょっとビックリだ。ポテチをかじって、甘いと感じるは初めてのことだ。しかも桃感がスゴイ! さらに驚いたのは、その甘さがスッと消えて、あとにあるのはポテチの塩味のみ。「え? ネクターはどこに行ったの?」と、思うくらい甘さと香りは静かに消えていた。いまだかつて感じたことのない、ポテチの味に衝撃を受けてしまった。
実はこの商品、昨年テレビ朝日の「ザワつく!金曜日」に取り上げられ、ご当地ポテトチップス年間王者決定戦で優勝したそうだ。その実力は伊達ではなかった。奇抜さだけでなく、味もしっかりとしたご当地チップスである。興味のある方は通販で取り寄せてみてはいかがだろうか。
参考リンク:47クラブ、カルビー「47都道府県の味」
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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