最近やたらとダイソーの電気コーナーで見かける商品、それが300円(税別)の『高音質ステレオイヤホン』である。はっきり言って100円のイヤホンは使い物にならないが、「300円なら……」という期待は少しある。

しかしながら、同じ300円クラスでも、性能的には「……(虚無)」となるモノも数多い。数多いというか、ほとんどが「……(虚無)」であろう。ところが今回の商品に関しては……正直、予想外の結果にビビりまくった!

パッケージには「高音質」「迫力低音」「ヴォーカル伸びやか」と書かれており、五角形のグラフでは「中域」と「低域」が得意であることが記されている。開封すると……


ふむ。特筆すべきことは何もない。とにもかくにも、ジャックは3.5mmステレオミニプラグなので……


MacBook Airに接続し、ほぼ毎日聞いているプレイリストを再生してみたところ……



!!


ちょっとこれ……



私、音楽の専門家ではないので、あくまでも素人目線の感想しか述べられないのだが、これ、「2000円くらいのイヤホン」のレベルには達していると思う。ていうかウチの2000円台のカナル式イヤホンとタメ張るレベル。

まずビックリなのが、パケの表記に恥じない「迫力低音」。ズンズンくるし、ドゥンドゥンくる。「中域」と「低域」が得意ってのも、実際に聞いてみたらよくわかる。なるほど、これが中域と低域なのか……と。

ちょいキビ気味に判定すると、そこまで音は「クリア」ではない。たとえばAppleの『AirPods Pro』が視力2.0だとしたら、ダイソーのコレは0.6くらいのレベルであろう。でも300円でここまでの出来とは……衝撃だ!


かつて私は、ダイソーで売っている300円の『高見えヘッドホン』についての感想を「ライブハウスの扉の手前にいる感じ」と表現した。しかし、今回の『高音質ステレオイヤホン』は……


ライブハウスの中に入れた!


でも……


薄い透明板で作られた「飛沫防止ボックス」の中にいる感じ……とでも言おうか。残念ながら、ライブハウスの中には入ったが、まだ少しだけ隔離されている的な。極薄の何かが、そこにはあるのだ。でも、でも……ライブハウスの中には入れた!

てな感じで、「本格的に音楽が聞きたい」という人には少しだけ物足りないかもしれないが、ちょっとした作業用イヤホンや、ゲーム用のイヤホン……みたいな使い方ならバリバリ使える完成度だと私は思う。300円でコレなら十分すぎるほど十分。良い意味での予想外。これは “アリ” だ!


執筆:100均評論家・GO羽鳥
イラスト:マミヤ狂四郎
Photo:RocketNews24