突然だが、みなさんは「醤油」と聞いてどんなイメージをするだろう。そんなもん醤油は醤油だと思う人、しょっぱい、はたまた色に注目して黒いなどといったあたりか。ちなみに私は「甘い」である。

というのもなぜなら、福岡県出身でずっと甘口に親しんで生きてきたから──そう、九州の醤油は甘いが定番なのだ! それがキッカケでカルチャーショック……東京で馬刺しを食べるときに驚いたこともあるが、先日都内のアンテナショップでニビシのうまくちさしみ醤油(200mlで税抜346円)を見つけた。こ、これは買うしかなかろうもん!

・九州の代表的な醤油

ニビシのさしみ醤油といえば九州だとめちゃくちゃオーソドックスな甘口醤油だ。ペロッと舐めるだけでも「あぁあっ……」と頭がおかしくなりそうなウマさで食卓に欠かせず。これを刺身や寿司につけて食べると、最高以外に適切な表現が見つからないくらいウマい。

一体、一般的なのものと何がどう違うのか、イマイチ知らない人のためにどこでも見かけるキッコーマンの醤油と比べてみるとしよう。皿にそれぞれ出してみると……意外や意外に色が違う。こうやってまじまじと比べるのは初めてだが、わりと黒い甘口醤油に対してキッコーマンはかなり薄い印象を受ける。

そして色が違えば舌触りもまったく違う。キッコーマンはサラリとしていて、よくあるタイプの醤油。一方、甘口の方はとろみがあって、口当たりはまろやか。んでもってさしみ醤油という商品名だけに、その違いは刺身につけて食べたらよく分かる。

甘みが刺身の良さをさらに引き出すと言おうか。甘みと刺身はミスマッチと思う人もいるかもだが、一度味わってしまうともうこれ以外で食べることはできない体になってしまう。もちろん住んでいる場所によって味付けが違ったり、人によって好みが違うのも分かる。でも、これだけは……ニビシの甘口醤油は最強というのは断固として譲れない。

しかも、だ……!


この甘口醤油は冷奴や納豆、さらには馬刺しなどにも合う……ていうか何にでも合う。特に馬刺しに関しては甘口じゃないと本来の味を引き出せないとさえと私は思っている。今回、せっかく甘口醤油をゲットしたので馬刺しにつけてみたところ……

はい、ヘブン。やはり最高である。決してノーマル醤油が悪いワケじゃないけど、一度体験してしまうと抜け出せない甘口沼! 最強であり万能。一度使うと手放せないほど犯罪的なウマさがある!!


・自作してみた

騙されてみたと思って試してみてほしいと言いたいところだが、どうにか気軽に味わう方法はないものか。そう考えた私は甘口醤油を自作してみることにした。料理に疎いため詳しいことは分からないが、砂糖を加えたら何とかなりそう……な気がする。

ということで砂糖を用意。あとは甘口醤油のトロみを再現するべく熱して、アレコレと調味料を入れてみた。

徐々に溶け始めて甘い匂いが漂いはじめ、そこはかとなく黒魔術みたいになってしまったが……

何とかそれっぽいのが完成。実際に舐めてみると……


あぁあっ……!


鬼マズというワケではないのだが、中途半端に甘くて決してウマくはない。やはり甘口醤油を簡単に手に入れようというのは無理があったようだ。うむ、次からは通販で取り寄せることにしよう。

好みは人それぞれだから無理にとは言わないが、興味のある人はぜひとも甘口醤油を試してみてほしい。特に馬刺しは別格中の別格。「えっ、なんでコレが全国区じゃないの?」と不思議になるくらいウマく感じるから。

Report:原田たかし
Photo:RocketNews24.