いきなり&私事で恐縮なのだが、福岡県出身の記者は先日カルチャーショックを受けてしまった。場所は都内の某居酒屋。なぜそんなところでと思われるだろうが、受けたものは受けたのである。はぁ、ショック……。

原因となったのは馬刺し。同じ日本に住んでいながら地元とまったく違う食べ方をすることに気づき、当たり前だと思っていたのが当たり前じゃないと三十路を過ぎてから学ぶことになった。まさかまさかのそのまさか、馬刺しって甘口醤油で食べるものじゃないの!?

・甘口醤油が当たり前だと思ってた

馬刺しといえば、すり下ろした生姜とニンニクが添えられているのが王道パターン。他にはオニオンスライス、ネギなどを薬味として食べる人がほとんどだろう。そこまでは食べ方に大差ないと思われる。……だが!

その店で出てきた馬刺しには甘口醤油が用意されていることなく、卓上にあらかじめ備え付けられているものを使うしかなかった。つまり、甘口醤油が出てこなかったのである。馬刺しを甘口醤油で食べないなんてことあるの……と思ったが、どうやら置いてないものはないらしい。

・いろんな食べ方がある馬刺し

いいや、もしかしたら店員さんが出すのを忘れてるのかもしれない。そう思ったので聞いたところ、「卓上にありますよ(ニッコリ)」と満面の笑み。「甘口」という言葉を完全にスルーされたあたり、おそらく関東圏の辞書には載っていないのだろう。こ、これって、もしかしてカルチャーショックというやつ……?

あまりにも衝撃を受けたのでGoogle先生に聞いたら、どうやら地方によって食べ方が違うらしい。ごま油はまだ分かるが、中には嘘か誠か辛味噌など、トリッキーな食べ方をする地域もあるそうな。もうこうなったらカルチャーショックの上塗り。調べれば調べるほど、自分で傷口に塩を塗りまくっている状態だ。

・人生損してるレベルのウマさ

その時は仕方なくノーマル醤油で馬刺しを食べて味も悪くなかったが、慣れ親しんだ甘口と比べるとどうしても劣るのは否めなかった。せっかく奮発して馬刺しを頼んだのに、なんだかなぁ……。

だからこそ声を大にして言いたい。甘口醤油で食べる馬刺しの美味しさを! 説得力のある例を挙げるなら、馬刺しの本場である熊本県は福岡県と同じく甘口が主流だったはず。そのことを考えたらおのずと一番美味しい食べ方……というのはあながち間違えてはいないだろう。

もちろん、人それぞれ甘さに好みがあるのは承知している。でも……それでも……! まだ甘口醤油で馬刺しを味わったことがない人は、一度でいいからトライしてみてほしい。人生損してたと思うくらい本当にウマく、新境地を切り開くことができるはずだから。

執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.