こんにちは、東京から富山県に移住したライターの沢井メグです。もし地方移住するとなったら……まず気になるのはお金のことではないだろうか。いくらゆったりした時間が流れていようと、魚介類がうまかろうと生活の質が下がってしまっては意味がないことだ。
なんとな~く地方は物価が安いイメージがあるが本当のところはどうなのだろうか? 地方移住した私の体感を忖度なしでお伝えしたい!
・地方の方が「安いもの」逆に「高いもの」
本来なら1円単位でガッツリ比較したいところだが、我が家の場合、移住前と後で家族構成が2人→5人に変わってしまったので正確な比較は難しい。ということで、体感ではあるが、おおまかに言うと以下のようになる。
【めっちゃ安いもの】→ 家賃
確かに安い。私も引っ越し前に比較したが、駅近物件でほぼ同じ間取りのマンションで東京中野区だと12万円、富山市だと7万円とかなり安く貸しに出されていた。実際に県のデータによると、1坪あたりの1カ月の家賃が東京だと8704円なのに対し、富山の場合は3979円なのだとか。
富山に限らず地方の家賃は安め。というか東京が高すぎる。これは東京から関西方面に移住した友人の話なのだが、不動産屋に東京と同じ感覚で予算と希望を伝えたところ「申し訳ございません、そういった物件はございませんね」と言われたのだという。“地方なのにそんなに高いの!?”と一瞬驚いたというが、彼女をさらに驚かせたのは、
「それだけご予算があれば、2部屋借りることができますよ」
という回答だった。思わず「漫画かよ!?」とツッコミたくなる話である。
【安いもの】→ 生鮮食品
海が近いので魚介類が安いことは想像がつくが、野菜や肉も安い。近隣の農業県からの仕入れに頼る都心とは異なり、地のものが主なので鮮度の高いものが安く手に入る。スーパーのパック寿司が、ちょっとした回らない寿司屋レベルの美味しさで本当に驚いた!
・逆に高いもの
逆に高いなぁと思うのは、地元以外の企業が作っている加工食品や日用品、そして電化製品だ。都心より10~20%くらい高いように感じられる。その理由は輸送費がプラスされること、そして電化製品については家電量販店が少なく、値下げ競争が激しくないからではないかと感じている。
・クルマ生活の交通費は?
そして、よく聞かれる交通費。東京にいたころは通勤定期代を引いて、交通費に2000円は使っていた。自動車生活になり月のガソリン代が2000円、遠出が続いた月でも4000円くらいだ。最近のクルマは燃費が良くて助かる~!
駐車場は無料の場所が多いので、交通費と言えるのはガソリン代と高速代くらい。それだけなら安いのだが、車検などの維持費も交通費のうちと考えると、車を持っていなかった東京住まいの頃より高い気もする。
ただ、便利なだけでなく遠出へのハードルがめちゃくちゃ下がり休日の過ごし方が豊かになったと感じているので “金がかかった” “損をした!” という感覚はない。
私個人の体感としては以上だ。特に家電は「やや高いなぁ」と感じることが多いが、Amazonやヨドバシなどネット通販を取り入れれば解決されるだろう。地域経済に貢献してなくてちょっとゴメンとは思うけれど。
・トータルでいうと?
一概に東京より物価が安いというわけでなく、大幅に安いものもあれば、ちょっと高いものもある。トータルでいうと「ちょっと安いかなぁ~」というくらいだ。ただ私の場合は、移住後に家族が増えたので単純に比較はできないのだが……。
そこで富山県にデータを見せてもらったところ、20~24才の平均月収で計算した場合、最低賃金が低いので月収こそ低いが支出が少ないため、手元に残るお金が東京より1万5000円ほどプラスになるのだという。へ~!
地方移住でお金が心配になるのは「最低賃金が低い=収入が減る」という点に起因しているように思う。上記のとおり支出が抑えられるポイントがあるためそこまで心配はないというのが実感ではある。
とはいえ物価がハチャメチャに安いわけではないので、そこは心にとめておいた方が良いだろう。日本どこでも同一労働同一賃金が理想だとは思うのだけどねえ。
参照元:くらしたい国、富山
執筆:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.
▼地方は物価安というより、お金がかかる場所とその比率が都心と違う → 結果、トータルでちょい安めって感じです