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2015年も3月に入り、4月から会社や大学のため上京する人は、慌ただしい日々を送っていることだろう。上京するにあたり、まず決めなければならないのは住居だが、地方出身者は土地勘がないため、どこに住めばいいのかピンと来ない人も多いに違いない。

そこで筆者の知人である、現役不動産仲介会社社員から、「オススメのエリア」と「オススメしないエリア」をそれぞれ5つずつ聞いてみたのでご紹介したい。今回は「ここは避けるべき」という “オススメしない都内のエリア5選” をお届けする。

・恵比須・中目黒・代官山エリア

「お洒落で洗練されており、遊ぶにはいい街でしょう。実際に『恵比寿辺りに住みたいんですけど』と相談されることも多く、人気はあります。ただし、物件数は少なく家賃もかなり高め。飲食代などの物価も高く、初めての東京一人暮らしにはハードルが高すぎます。

テレビなどで芸能人などが『恵比須のお店で~』『中目黒のバーが~』などとよく言っていますが、彼らは成功者で経済的に余裕があり、しかも東京の相場をイマイチ把握していない地方出身者がほとんどです。『恵比寿に住んでいるというステータス』だけを欲しがり恵比寿を選んでも、長続きはしないと思いますね」

・麻布・六本木エリア

「こちらも恵比須エリアと同様の理由ですが、六本木だと治安の悪さが加わります。以前お客様で、『どうしても六本木に住みたい』というのでお手伝いしたところ、7万円のワンルームが見つかったのですが、屋上の上に物置小屋チックな部屋があっただけでした。

大人の街というイメージが強い麻布ですが、家賃の高さの割に麻布十番駅しか使えないのは不便かもしれません。また、敷居の高いお店が多いので社会人と言えど、それなりの格式がないと相手にされないかもしれません。経験を重ね、経済的余裕もあれば悪くありません」

・お台場・豊洲エリア

「単純に『海が見えるから』という理由でお台場に住みたいと希望されるお客様もいらっしゃいますが、お台場は観光地です。たしかにマンションもありますが、家賃は高く、交通のアクセスも良くないどころか悪い部類に入ると言えるでしょう。

近年、豊洲は目覚ましい勢いでマンションが開発されていますが、あくまでファミリー向きなので一人暮らしには向きません。ただし、オリンピック効果もあり『半年前から値段が500万上がった』なんて話も聞きますから、資産運用としてはいいかもしれませんね」

・吉祥寺エリア

「毎回『住みたい街』上位にランクインする人気エリアですが、交通の便は決してよくありません。しかも近隣の相場と比べると家賃も割高です。確かに賃料の安い物件もあるのですが、風呂なし共同トイレなどが紛れているので注意しましょう。

人気に乗じて『吉祥寺駅 徒歩30分』なんて物件もあるのですが、初めての東京暮らしで深く考えずに契約してしまうと、後々泣くハメになります。散策するにはいい街ですが、住むにはそれなりの経済力と車があった方がいい街です」

・自由が丘エリア

「お洒落な雑貨屋などが多く、特に女性人気が高い街ですが、自由が丘自体にネームバリューがあるため、賃料は強気の価格設定が多いです。スーパーなどもあるので一人暮らしは可能ですが、物価は安いとは言えません。

また、昼はそれなりに賑わっていますが、夜になると人気(ひとけ)が少なく、女性は少々怖いかもしれません。無理して自由が丘に住むくらいなら、学芸大学や都立大学の方が掘り出し物は見つかりやすいでしょう。このエリアも含め、三軒茶屋や下北沢も楽しい街ではあると思いますが、住むにはオススメはできませんね」

・最初から無理はしないこと

「まず上京する方に知ってほしいのは、“住む場所” と “遊ぶ場所” は違うということ。テレビなどで芸能人がお忍びで通うようなお洒落な街は、当たり前ですが住宅は少なく家賃もかなり高いです。家がお金持ちで『いくらでも出せる』というなら話は別ですが……。

また、地方都市は勤務先と自宅が比較的近く、その感覚で『片道15分圏内で探してる』なんて相談も受けますが、東京では片道30分どころか1時間もザラです。憧れのエリア周辺に住みたい気持ちはわかりますが、最初に無理をすると東京自体にも馴染めないと思いますよ」
(カギカッコ内は不動産屋のコメント)

……とのことだった。たしかに「住む場所と遊ぶ場所は違う」という言葉には説得力があり、都内在住の筆者も、「なるほど」と納得できる意見が多かった。次回は『オススメのエリア5選』をお届けするぞ!

Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.