2000年代、上海に住んでいた日本人の間では、こんなことがささやかれていた。

「中国東方航空と中国国際航空なら、国際の方に乗るべし。機内食がまだマシだから!」東方の機内食はマズイ、これが共通認識だったのだ。マズイかどうかは個人の好みが入って来るが、少なくとも個性的であったのは確かだろう。

さて、10年ぶりくらいに東方航空の上海便に乗ったのだが……あれ、機内食が劇的に変化しているよ……!

・10年ぶりくらいに東方航空に乗った

先日、久々に中国東方航空に乗った私(沢井メグ)。10年ぶり、いや、それ以上かもしれない。機内食を理由に東方を避けていたわけではないのだが、東方よりも安い上海航空や、LCCの利用が増えて乗る機会がなかったのだ。

そういえば、日本便就航当時の上海航空の機内食は美味しかったなぁ。だんだん変わってきたけど……。

・機内食がウマくなってる!

さてこの日乗ったのは「富山―上海浦東」、東方航空(MU)と上海航空(FM)の共同運航で3時間ほどのフライトである。

機内食のメインは牛肉か鶏肉が選ぶことができ、私は牛肉を選択。中身は牛のトマト煮と白ごはんだ。そして共通のランチボックスのなかに、パン、水、オレンジ、おかずボックスが入っていた。

トマト煮は、肉と野菜、トマト缶を煮込み、コンソメで味付けしたようなシンプルな味。「マズイ」という印象もなく問題なく食べられる味だ。

そして「おかずボックス」には感動した! 中身は のしどり、トマト、エビのマヨネーズ和え、こんにゃくとひじきの煮物だ。和風のおかずが入っていることにまずビックリ、しかも美味しい。ちょっとイイ幕の内弁当に入っていても遜色ないくらいだ。2014年、上海ー東京間の機内食がオール炭水化物だったことを思うと、東方の機内食のレベル、爆上がりじゃない?

・しかしそこはかとない東方スピリッツ

だが、帰りのフライトで衝撃事件が起きた。上海→富山は飛行時間が短いせいか一律同じメニュー。ホワイトソースのパスタで、給食のソフト麺風、味は魚介の旨味を感じるものだったのだが、問題はそこではなかった。

食器だ! 食器が三つわれスプーンのみ、それもフォーク部分が浅すぎて、とても麺を食べられないものだったのだ。誰も気づかなかったのかよ!(笑) 

そこはかとなく、かつて感じた「俺たちの東方航空」を感じつつも、乗務員さんに「给我筷子,可以吗?(お箸をもらえませんか?)」とお願いしたところすぐに対応してもらえた。お箸があれば大丈夫。結果としては没問題である。一人がお箸をもらうと、中国人も日本人もみんなお箸を頼んでいた。やっぱりみんな食べづらかったんだね。

・10年の変化、中国の変化

10年以上ぶりに乗った東方航空の機内食は、激ウマとは言わないが、少なくともマズイではなかったように思う。かつてメシウマだった上海航空と経営統合した結果だろうか? そして中国人乗務員のおもてなしの丁寧さや愛想の良さも各段に上がっている。上海に着く前から、時の流れ、中国の変化を感じた次第だ。

Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.

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