早朝の散歩を再開した。
家から不忍(しのばず)通りを歩き、不忍池を越え、中央通りで折り返して戻ってくる。往復およそ7000歩のコースだ。
目の見えない私がどのように散歩をしているか、以下で紹介したい。そして、再開初日に起きた事件のことも──。
早朝の散歩を再開した。
家から不忍(しのばず)通りを歩き、不忍池を越え、中央通りで折り返して戻ってくる。往復およそ7000歩のコースだ。
目の見えない私がどのように散歩をしているか、以下で紹介したい。そして、再開初日に起きた事件のことも──。
私はカラオケが好きだ。
歌唱力については、毎月一緒にカラオケへ行く息子いわく「ミスター70点台」であるが、とにかく好きだ。
目が見えていた頃は、画面に流れる歌詞を追いながら、知っている曲ならだいたい歌えた。
ところが、目が見えなくなると事情は一変した。
歌詞が読めない。
つまり1曲歌うためには、最初から最後まで全部暗記しなければならない。
その結果、レパートリーは一気に減った。
さらに、好きだったはずのカラオケへ行くこと自体が少し怖くなった。
そんな私のカラオケを、サザンの1曲が変えてくれた話をしたい。
通勤や通学の途中で、「なんでだろう?」と気になっている場所はないだろうか?
私の場合、日比谷駅の地下通路にある点字ブロックがそうだった。
目が見えなくなった今では「これはなんだろう?」が日常のほとんどなのだが、見えなくても「なぜだろう?」となってしまう場所……。
そのモヤモヤを解決したら、同時に「歴史」を感じることになった。
視覚障害者になって一番変わったのは、見えないことではなかった。
耳で生活するようになったことだ。
私は目が覚めると、まず枕元に置いてあるスマホを手に取る。
画面をタップすると、スマホが話しかけてくる。
「6月13日、土曜日。5時47分」
私の一日は、この声から始まる。
ちなみに朝が早いのは、視覚障害とは関係ない。
おじさんだから勝手に目が覚めるのだ……。
私は視覚障害者4年生で、カラオケが大好きだ。最近は、嵐の「Five」をお風呂で猛特訓している。
今は歌詞の暗記が必要になり、レパートリーが激減している……。とはいえ、今年は嵐への感謝を込めて、カラオケは嵐1本でいくつもりだ。
ちなみに歌は、自他ともに認める「ド下手」である──と、どうでもいい近況はこのくらいにして本題に入る。
私の日常のほとんどは、誰かの助けやアプリに頼りながらなんとか回しているが、そんな中で数少ない「一人で完結できる場所」がある。
それが、自宅から徒歩1分のところにあるコンビニだ。
ここは特別な場所だ。点字ブロックもナビアプリも使わず、自分の感覚だけでたどり着ける。
目が見えていた頃から通っていた、いわゆる「近所のいつものコンビニ」。
たぶん、誰にでも一つはあるあの感じの場所だ。
4年前、緑内障の悪化で私は目がほぼ見えなくなった。
ちなみに、職業はテレビ番組の制作プロデューサー。
「目が見えなくてテレビの仕事?」
自分でもそうツッコミたくなるが、周りの方のおかげでなんとか仕事を続けられている。
たくさんの方に助けてもらう中で、今の自分にできることや気づいたことを少しずつ伝えていければと思うようになった。
今回はその中のひとつ。電車内のベストポジションについてだ。