みなさんは「えび」がお好きだろうか? 生でも茹でても炒めて美味しいえびだが、個人的には「えびは味噌汁が最強」と考えていた。えびに限らず甲殻類は出汁がウマい! ゆえに「みそ汁が最強」であると。

だがしかし、台湾で『蝦仁飯(シャーレンファン)』を食べてその考えは変わってしまった。私の知りうる限り『蝦仁飯』は「世界で1番えびのウマさを引き出す料理」なのではなかろうか?

・台湾マニアおすすめ

2024年の3月初旬、私は人生初の「台南市」に訪れていた。かつては台湾の首府だった台南市は、いわば古都。古き時代の趣が至るところに残る街並みは、日本でいう京都的な位置づけなのかもしれない。

さて、台湾マニアの知人に話を聞いたところ「台南に行ったら絶対に食べるべきグルメ」が複数存在するという。台湾マニアいわく「台北と台南は若干味付けが違う」らしく「台南はやや甘めの味付け」とのことだ。

ところ変われば名物も味付けも変わる。せっかくならご当地グルメを満喫したい! というわけでオススメを聞いたところ「絶対に行って」と強めに推されたのが『蝦仁飯』である。


台湾マニア「蝦仁(シャーレン)はえびで、飯はそのままごはん。だから日本語だと “えびごはん” とも “えびめし” とも言うね。蝦仁飯は台南のローカルフードで、有名なお店がたくさんあるのよ。

日本でえびって高級食じゃん? でも台南の蝦仁飯はちょっと違うんだな~。まあ、とにかく台南に行ったら食べないと話にならないくらい有名だから絶対に食べに行ってね!」


えびごはん……えびめし。台南市は海に面しているため海産物には期待できそうだが、日本では聞かない “えびめし” とは? これは確かめてみるしかあるまい。



・有名店へ

というわけで、台湾マニアにオススメされた「集品蝦仁飯」へ。集品蝦仁飯はえびめしの超有名店らしく、場所は台南の中心部にある。台南駅からはタクシーで10分ほどだろうか?

お昼どきだったこともあり、店内は予想通りの大混雑。ただしこの日はテイクアウト街で並んでいるお客さんが異常に多く、席にはほぼ待たずに座れた。

しかも「集品蝦仁飯」には日本語のメニューもあるからありがたい! 店員さんも片言の日本語を使ってくれるので、さほど迷うことなく注文できることだろう。

オーダーしたのは「蝦仁飯(65台湾ドル: 約307円)」「アヒルと卵のスープ(35台湾ドル: 約165円)」「台湾ソーセージ(30台湾ドル: 約142円」の3品。総額も600円ちょいと非常にリーズナブルであった。



・ご対面

で、ほどなくして到着した蝦仁飯は……おお、これがウワサのえびめしか……! えびのサイズはカップヌードルくらい小ぶりで、ブリンブリンのえびを使用した料理ではないらしい。

さっそく食べてみると……ウホ! これはすごい!! 何がすごいって香りも味もえびが濃ィィィイイ! 聞けば蝦仁飯はえびのダシでご飯を炊いているようで、1粒1粒の米がえびのエキスを吸収しまくっていた。

そのえび濃度は圧倒的で、甘めの味付けも相まった濃厚なウマさ。これまでえびの1番美味しい食べ方は味噌汁だと思っていたが、もしかしたら蝦仁飯はそれを上回っているかもしれない。



とにかく最初から最後までえび、何ならえび本体よりも米がえびの旨味を吸いまくっているため、5杯くらい食べたら自分がえびになりそうな勢いである。それは冗談として、ウワサの蝦仁飯はえび濃度がとんでもない一品であった。

というわけで、えび好きな方には1度召し上がって欲しい蝦仁飯。蝦仁飯にも色々なタイプがあるようなので、台南に出かけた際はお気に入りの蝦仁飯を探してみてはいかがだろうか?

・今回訪問した店舗の情報

店名 集品蝦仁飯
住所 台湾台南市中西區海安路一段107號
時間 09:30~21:00
定休日 不定休

執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.