人間、何歳になっても意外と “初めて” があるもの。それが日本ではなく海外ならば “人生初” はかなり多い。逆説的に言えば、人は “初めて” を求めて、海外まで足を運ぶのかもしれない。

さて、つい先日「台湾」へ出かけたときのこと。台南市の名物「サバヒー」をいただく機会に恵まれた。台湾マニアいわく「台南で食べないと話にならない名物」とのことだが、果たして……。

・台湾メシ最高

過去に何度か台湾に訪れた経験から申し上げると、とにかく台湾はメシがウマい! 朝から晩まで、お店はもちろん屋台やコンビニに至るまで、台湾グルメは「ウマい!」の連続である。

そんな台湾グルメも「台北」と「台南」では趣が大きく異なるという。私は人生初の台南であったが、それでも台湾メシなら美味しいに決まってる! かくしてワクワクしながら台南へ訪れた。

で、絶対に食べるべき台南グルメを教えてくれたのは知り合いの「台湾マニア」で、聞くところによると台南にはいくつかの「食べないと話にならない名物グルメ」があるらしい。



・食べなきゃ話にならない

その1つが「サバヒー」で「担仔麺(タンツーメン)」と「蝦仁飯(えびのご飯)」と並び「絶対に食べるべき台南グルメ」だそう。もちろん仰せのままに……というわけで、まずは「サバヒー」を食べに向かった。

さて、サバヒーとは魚の名称で「サバ」とは全く関係がない。漢字では「虱目魚」と書き、英語圏では「Milkfish(ミルクフィッシュ)」と呼ばれることもあるそうだ。

サバヒーは台湾の代表的な魚で、特に豊かな海産物に恵まれた台南では非常にポピュラーな食材とのこと。実際、台南の街では「虱目魚」と書かれた看板をあちこちで目にした。



・サバヒーのお粥

その「サバヒー」は様々な調理方法があるというが、今回オススメされたのは「サバヒーのお粥」である。お粥屋さんは昼過ぎに終了してしまうことも多いそうで「朝食にオススメ」とのことであった。

で、到着したの台南駅から徒歩10分ほどのところにある「阿憨鹹粥」というお店。ありがたいことに片言の日本語を話せるスタッフさんがおり、身振り手振りで注文が可能だ。

注文したのはサバヒーのお粥で、価格は150台湾ドル(およそ705円)。個別注文すれば「頭」「腸(内臓?)」「皮」などの部位も追加できるらしい。

ほどなくしてやって来たのは、台湾名物の揚げパンがトッピングされたお粥。お粥の表面には緑のパクチーが散らされていた。うむ、現地感があってとてもいいビジュアルである。



・食べてみよう

さっそく食べてみると、あっさりとしていながらもコクがある出汁で、それなりにニンニクが効いている。また出汁はサバヒー単体ではなく牡蠣からも出ているようだ。

サバヒーそのものの味わいは「シンプルな白身魚」といった印象で、独特のクセなどは感じなかった。むしろクセが無さすぎるところが、クセと言えばクセだろうか?

またサバヒーは海水魚なので、泥臭さといった要素も特に無し。ドーンと入った腹の部分は脂がたっぷりのっており、こちらは人によって「しつこい」「脂っこい」と感じるかもしれない。

とはいえ、人生初のサバヒーは「シンプルな白身魚」であり、これといって食べにくさは感じなかった。逆にシンプル過ぎて「他の料理も食べてみたい」とも思わなかったが……。



・お粥はオススメ

ただ少なくとも「サバヒーのお粥」自体は大変美味しい料理であった。優しくも力強い味わいは「二日酔いの朝に食べたら最高な味」と言えば伝わるだろうか? 台湾マニア、流石のセンスです。

とにもかくにも、基本的にサバヒーは日本では食べられない料理なので、もし台湾にお出かけの際はぜひ1度お試しいただきたい。あらゆるところに “人生初” が待ち受けているから海外旅行は最高だ。


・今回訪問した店舗の情報

店名 阿憨鹹粥
住所 台南市公園南路169号
時間 6:10~

執筆:P.K.サンジュン
Photo:Rocketnews24.