昨年末の大掃除シーズン。私もさっそく、その辺で買ったクイックルワイパーのパチモノで床を拭いていた。しかし掃除はまもなく滞ることになる。

買って半年のパチワイパーの柄が折れたのだ。プラスチック製のペラい造りで、1700円くらいだった。遠からず折れると思っていたし、そもそもクイックルワイパー的なやつはそういうものだと認識していたので意外性は無かった。

しかたがない。近所のドラッグストアで新しいのを買ってくるか。おや? あれは本物のクイックルワイパーじゃないか。初めて見たぞ。値段もパチモノと変わらない。よし、これにしよう。

・本体

私はこれまで、クイックルワイパーなど、本物もパチモノも似たようなものだと思っていた。ようは、棒の先にウェットティッシュ的な床拭きシートをバチっと留める板がついていたら、全部一緒だろうと。

それに本物の本体は、パチモノほど頻繁に売られていないと思うのだ。私の家の近所のホームセンターやドラッグストアでも、パチモノは何種類も売られているのに対し、花王製の本物の本体は売られていない。

今回も恐らく店側が大掃除需要を見込んで入荷したものが売られていただけで、普段は扱っていないと記憶している。私が本物を買った店にも普段はパチモノしかなく、私が半年前に買ったのはそのうちの一種だったからだ。

装着するシートだけはどこでも本物が売られているが、本体はレアな気がする。

その理由としては、値段が高くてパチモノの方が売れるのかもなぁ……と思っていた。しかしパチモノでも1500円~2000円あたりで、今回私が買った本物は2000円くらいだった。

多くの人が……恐らくお店の人すらも、私のようにクイックルワイパーの真贋を気にせず、それっぽいものなら何でもいいと思って生きている可能性を感じる。


・丈夫そう

さて、今回私がゲットした本物のクイックルワイパー。正確には「クイックル マグネットワイパー」というものだ。たぶんクイックルワイパーシリーズの最新のフラッグシップ機のようなものの気がする。

公式HPの商品ラインナップを見ると、いわゆる無印クイックルを差し置いてトップに出てくるのだ。何にせよ、公式が最も推しているモデルなのは間違いない。



開封すると、本体はこんな感じでバラした状態で出てくる。


ここで最初の感動があった。買って半年で折れて大掃除のゴミと共に捨てたパチモノは、柄がプラスチックだったのに対し、本物は金属製! 耐久性がダンチだ。


ちなみに近所の店には分解できないタイプのパチモノも売られていたが、そちらは木の柄だった。丈夫さなら木が勝りそうだが、分解できないし、捨てる時に地味に手間となる。

あと、本家のこれは必ず3本連結させなければならないわけではなく、任意に短く組むこともできたりする

ジョイント部分にはプラスチック。一瞬、この部分から折れそうだなぁ……と思ったが、細い方の端がけっこう深くまでねじ込まれており、接続部にかかる負荷は金属の柄にかかる感じ。


よく見たらプラスチック製なのは、金属の柄同士の接続をロックする機構だった。この爪が摩耗するなり折れるなりしたらそれまでだが、そんなにヤワではないと思う。


壊れるとしたら、恐らく柄と先端の板のジョイント部分だろう。負荷がかかるポイントだが、プラスチック製っぽいのだ。多少重くともここが丈夫な金属製だったら、評価はマックスだった。


しかし、その程度のマイナス評価は、柄の丈夫さと、板に仕込まれた優れた機構の前には何でもない。商品名の通り、こいつの板は磁石で固定するタイプなのだ!


パチモノは手でバチンバチンとやる感じで、けっこう使い辛かった。しかしこの磁石は、拭いている際には全くズレることなく、しかし外す時と装着する時にはワンタッチでいけるという絶妙な塩梅! QOLが上がる。

そしてパチモノではマジにただのプラスチックの板だった先端部分だが、本物はゴムのような柔らかい素材で覆われており、ほどよくしなって拭きやすい!!



細かい部分の造り、一つひとつがパチモノよりワンランク優れていて、トータルでの使い心地と信頼度は圧倒的なものとなっている。

クイックルワイパーは本物もパチモノも変わらんと思っていたが、全くそんなことは無かった。やっぱ本家なんだなと。製造年まで書かれてるし。


きっと全国にけっこう多いであろう、私のようにパチモノを使っている皆さん、壊れたら、次に買うのは本物にした方が良いと思います。

参考リンク:クイックルワイパー
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.
Screenshot:花王