私(羽鳥)は立場としては編集長だが、役職的に私よりも上はいる。「アホの上司」として名を馳せているYoshioである。

そんな私の上司でもある彼が、「どうしてもやりたいことがある」と私に真顔で相談してきたことは……糸電話だった。

それも「30メートルの糸電話と、100メートルの糸電話がやりたい!」と目を輝かせながら言っている。よし、やろう!

30メートルの糸電話は、発案者であるYoshioが用意した。紙コップと爪楊枝と30メートルのタコ糸で作ったのだという。


さっそく糸をピンと張り、Yoshioの叫びを聞き取るべく耳を澄ませてみると……


「……今日のパンツの色は何ですか……」


聞こえた! 言っていることはアダルティかつ非常にしょーもない内容だが、確かに聞こえる!


「今日、クリッパー(軽バン)のタイヤは、ナンカンという台湾のメーカーにしました〜」


対岸のYoshioの方でも、私の声はしっかりと確認できたもよう。


スゲエ! 30メートルってけっこうあるのに、糸電話スゲエ!!



──興奮した表情でYoshioは叫ぶ。

「こうなったら100メートルにも挑戦だ!」


さすがは上司。一気に100メートルに飛び級するなんて、大人買いならぬ、大人張り。


すぐさまYoshioは100メートルの糸電話を作り上げ、「羽鳥さんはそこで待ってて!」とズンズンと歩を進める。


動かないでね!」とYoshioは言い、


やがて、カーブと共に姿が消えた。


糸をピンと張れないと糸電話は機能しない。


結果、「直線距離100メートル」をとるのは非常に難しいということがわかった。



なお、その後もYoshioはズンズンと先に進んで行ったもようだが、やがて糸がモノに当たっていることに気づいたのか、

少しはにかみながら、悔しそうに戻ってきた。


Yoshio「いつか100メートルとれるところ探して、やろう!


うん、やろう! オレたちなら、できる!


【つづく】


執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]