今年は各地で花火大会や夏祭りが “通常モード” で開催される。長く続いた自粛ムードから解き放たれ外出を楽しむ方も増えるだろう。ってことで、私も近所で開催されるイベント情報をチェックしていたら、たまたまタイミング良く……

どんなイベントにも合うカジュアルな服装」というタイトルのメールが届いた。送り主はAliExpress(アリエクスプレス)。ありとあらゆる商品を世界中から安く購入できる海外通販サイトだ。これはあまりにもナイスタイミングと言えるだろう。

というわけで、アリエクスプレスがオススメする「どんなイベントにも合うカジュアルな服装」を購入することに。具体的には、ロンT(543円)ショーツ(2264円)だ。これでもうどんなイベントにも参加できるハズ。それぞれ詳しく紹介しよう。

・どんなイベントにも合う服装とは

そもそも “どんなイベントにも合う服装” など存在するのだろうか。夏祭りと花火大会くらいなら同じ格好でもOKかもしれないが、クラシック音楽のコンサートやディナーショーにも花火大会と同じ格好で参加するのはちょっと違う気がする。



調べたところ、広い範囲をカバーするなら “スマートカジュアル” が良いらしい。普段着よりもきちんと感のあるスタイルで、上質で洗練された雰囲気に合う服装とのこと。「普段着でお越しください」と案内された場合も、スマートカジュアルで行くのが無難なのだとか。

たしかに40代なら、花火大会や夏祭りにもきちんとした身なりで参加したい……と思ったのだが、アリエクスプレスの「どんなイベントにも合うカジュアルな服装」は、とてもスマートカジュアルとは言えないスタイルだった。


・AliExpressコーディネート

まずはロンT(長袖のTシャツ)を広げてみよう。商品名は「男性のための光の錯覚、大きいサイズ、プリント、長袖、誇張された襟、レインボーストリートウェア、2021」だ。タイトルの時点で “きちんと感” はゼロ。ヤバそうな雰囲気がダダ漏れである。

現れたのは、目の錯覚を誘う幻想的なデザインのシャツ。どんなイベントにも合うかどうかはさておき、なかなか日本では見かけない不思議な模様のロンTだ。学校で成績トップクラスの男が着たら似合うかもしれない。ちなみに購入者からの評価は5段階中4.5とかなり高め。


・原宿スタイル

つづいて「男性と女性のための3Dプリントショーツ、さまざまな色のユニセックスショーツ、ストリートウェア、原宿スタイル、サマーコレクションs225」なるショーツ(短パン)。原宿スタイル & サマーコレクションという名前がかなりチャラいが……

広げたらトウモロコシ。パンツ全体にトウモロコシがプリントされている。こちらもイベント向きかどうかは不明だが、学校でトップクラスに足の速い生徒に相応しいデザインだ。なお、サイト内での評価は5。トウモロコシが好きならこれ以上のデザインはないってことだろう。


実際に着てみると……


なんというか、率直に言うと地球外生命体のようだ。ロンTと短パンを着用しただけなのに、遥か宇宙の彼方からやってきたような底知れぬ不気味さが漂っている。一言でいえばヤバい。ただの変態よりもワンランク上の怪しさや怖さを秘めているのだ。しかし……

怪しさが上限を超えて理解が追いつかなくなった瞬間……なぜかこの格好がフォーマルに見えてきた。あまりにもカジュアル過ぎて「逆にフォーマル」という少し攻めたスタイルに行き着いたのかもしれない。

もしかしてカジュアルさがパンクして消滅すると、こういった現象が起こるのかも……ただやっぱり夏祭りもディナーショーもNGだろう。全然、上質で洗練された雰囲気ではない。私がディナーショーの主催者だったら光の速さで通報する。

そういえば、メールのタイトルには「どんなイベントにも合うカジュアルな服装」と書いてあった。私の結論は「カジュアルが消滅して、逆にフォーマルに見えるスタイルになった。イベントに関係なく通報されそう」なので、AliExpressの考えとは食い違いがある。

とはいえ、日本国内ではあまり見かけない奇抜な格好をしたい方はAliExpressをチェックしてみてはどうだろうか。探さなくてもいい、派手なデザインの服ならいくらでもある。


参考リンク:AliExpress「目の錯覚を誘うロンT」 / 「トウモロコシの短パン」
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.