世の中には言葉巧みに人を惑わして騙(だま)す、怪しい輩がいる。会話だけでなくメールやサイトを駆使して、善良な人々から金を巻き上げようとする悪いヤツだ。残念ながらそんな悪事はなくなることはなく、手口を変えながら人々を騙し続けている。

私(佐藤)の元にも最近怪しいメールが届いた。そのメールには、ケータイ番号が記載されていたので、電話をしてみたところ、それ以来スパムメールがバンバン来るようになった。大金をただでくれるというインチキな内容のものだったが、それらを詳しく確かめてみると “真の狙い” が見えてきたのだ……。

・怪しい番号に電話したら、スパムメールがバンバン来るようになった

ここまでの流れを振り返ると次のようになる。

1.私の元にケータイ番号の記載されたメールが届く
2.番号に電話すると、自動音声が流れて電話が切れた
3.その日以来、スパムメールが電話のショートメッセージ(SMS)でバンバン来るようになる
4.スパムメールに記載されたURLにアクセスすると、4億円をくれるという内容だった


アクセスしたサイトのひとつには、「国連公認・NPO生活支援センター」という組織が私に4億円をくれると書いてあった。もう組織名が嘘くさい。「国連公認」の生活支援センターっておかしいでしょ?


これを含めて、現在(2020年12月15日)、6つの送信者からスパムメールが届いている。サブのケータイなので、私自身も番号を覚えていない。そんな電話に毎日ショートメッセージが届くから、毎日が楽しくなった! 友達が増えたみたい!!


・「手数料」と称して金を要求してくる

さて、気になる彼らの目的はなんだ? まさか本気で4億円をくれる訳ではあるまい。届いたスパムメールの内容を本気にするならば、私は総額9億8200万円もの大金を手にすることになる。本当にそんなことになったら、仕事辞めて六本木ヒルズに住むわ、マジで。

……と思っていたら、彼らが送り付けてくるメールの内容から手口が見えてきた。受け取ったメールの順番に紹介しつつ、その狙いについて説明しよう。


まずは札束の画像を見せつけて、受信者をその気にさせる


次に架空の人物名を列挙し、時にはそれらの人物の感想をでっちあげ、本当にお金が配布されているように装う。素直な人はそれで4億円がもらえると信じてしまうかもしれない。


そして最後に、「手数料」と称してお金を請求してくる。あたかも、4億円を振り込むために必要であるかのように装い、クレジットカードや電子マネーなどでウソの手数料を払うように要求してくるのだ。



中には、最初に3000円を要求してきたのに後から1000円に値下げした業者も。なぜ安くなったんだ?


とにかく、多少金額の違いはあっても手数料と称してお金を求めてくる点はどの送信者も一緒だった。


・ここからが真の狙い

大枚をチラつかせて小銭をせびる。それだけの他愛のないスパムメールの手口。


………この話はここで終わり………


ではなく! ここからが本題だ。


実は1件だけ他のモノと違う内容のメールが届いていた。「副業ランキング堂々1位」と書かれたものである。


メールに記載されているURLを開いてみると、スマホで月1~200万円を稼ぐことができる副業を宣伝した内容だった。何だこれは!? 見ると、「LINEで友達追加」のアイコンがある。よく分からないので、クリックしてみた。すると……


LINEアプリの認証を求められたので許可! 何も拒まないぞ!! ドンとこい!


続けてLINEアプリが起動して、相手を友達に追加した。さあ、何を言ってくるんだ? 面白い話を聞かせてくれよな? あん?


・ネットビジネスの誘い

友達を追加したその瞬間にメッセージが飛んできた! どうやらネットビジネスへの誘いである。メッセージに記載されたURLの先で、情報商材を5000円で販売していることを確認した。


なるほどね、これが本当の狙いなんだな。かなり手の込んだ手口だ。そしてメッセージの続きを見てみると、電話番号が記載されているじゃないか。どうせまた自動音声だろ? そう思いながら、実際に電話をかけてみると……


つながった瞬間に相手が出た!


人間だっ!!


しかも、受け答えはかなり丁寧。実在する会社なのか……。


適当に会話をごまかして電話を切ったが、不可解な点は多い。受け答えだけを聞くとまともだったものの、会社として本当にそうなのだろうか? だとしたら、なぜスパムと一緒に私の元にメールが届いたのだ? わざわざLINEに誘導してまで案内する点も解せない。

いずれにしても、理由もなく何億もの金が手に入ることはないし、仮に公共団体の名を匂わせたとしても、自分でその団体に連絡して確認をした方が良いだろう。冒頭にも書いた通り、中には金に困っている人を騙す連中だっているのだから。ちなみにこの件に関しては、警察に情報提供をする予定だ。それらについても追って報告したい。続報を待て!!

Report:佐藤英典
Screenshot:Android、iOS