11月最終日となる本日、夕方ごろに月が満月の瞬間を迎える。ネイティブアメリカンによる呼称はビーバームーン。さらに、今回の満月は今年3度目の半影月食を伴うものとなっているぞ!

みごろとなる時間や、ビーバームーンと呼ばれる理由、そして各地の天気など、今夜の満月を見るにあたっておさえておきたい情報をまとめて紹介していこう!

・満月と半影月食

国立天文台の暦計算室によると、満月になるのは18時半ごろ。東京を基準にした場合の月の出の時刻が16時26分なので、満月になった瞬間の月は、まだ東の空の低めの位置に浮かんでいると思われる。

場所によっては満月と建造物とのドラマチックなコラボも見やすいかもしれない。そして、本日の満月は月の出のほぼ直後から始まる半影月食にも注目したい。NASAによると、半影月食が始まるのは日本時間の16時32分ごろで、ピークは18時43分ごろだそうで、20時53分ごろに終わるもよう。

半影月食とは、月が地球の影の少し薄い部分(半影)を通過していく時に起こる月食のこと。濃い影(本影)を通過していく時に起こる普通の月食と比べると、月の明るさの変化は少しわかりにくい。


特に今回は食の始まりが月の出の直後ということもあって、肉眼で明るさの変化を検知するのは難しいと思われる。始まりからピーク、そして終わりまで、明るさの設定を一定に保ったままのカメラで撮影し、見比べるのがおススメだ。


・ビーバームーン

次はみんな大好きネイティブアメリカンスタイルの呼称について。1700年代から続く、北米大陸最古の気象や天文に関する年鑑The Old Farmer’s Almanacによると、11月の満月がビーバームーンと呼ばれる理由の一つは、ビーバーたちが冬を越すため巣に閉じこもり始める時期だからだそう。

また、特に17世紀ごろから19世紀初頭にかけて、ビーバー狩りが盛んに行われた時期であったことも関係しているという。冬のビーバーは、寒さに備えて上質な白いフサフサの内毛をたっぷり生やしている。この毛の需要が非常に高く、絶滅ギリギリまで追い込まれるほど狩られまくった過去があるのだ。

ビーバームーンの他には、フロスト(Frost)ムーンやフリージング(Freezing)ムーンという呼び名もあるもよう。理由は寒い日がどんどん増えてくるからという非常に分かりやすいもの。アンチビーバーな気分の方は、これらの呼び名をどうぞ。


・各地の天気は

それでは最後に各地の天気を見ていこう。2020年11月30日12時の時点での気象庁の天気予報によると、仙台以南から鹿児島までの太平洋側はおおむね晴れそう

対して日本海側は、北海道旭川市から島根県松江市まで曇りや雨のマークが出ている。松江より南西の広島と福岡は晴れの予報。そして奄美から石垣島までのエリアは曇りで全滅。

まあ、あくまで予報は予報。もしかしたら変わるかもしれないし、満月は多少曇っていてもわりと見えたりする。日が暮れたら、とりあえず11月の最後を締めくくる満月を探して空を見上げてみてはいかがだろう。

参照元:国立天文台[1][2]、NASAThe Old Farmer’s Almanac
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.