
20万円もらおうと思ったら大変だ。バイトだったら、1カ月働き続けても手取り20万円稼げる仕事は限られているだろう。私(中澤)は売れないバンドマンなので特に大変。
ライブハウスでのライブでは1000円でも収支が黒字なら嬉しいレベル。10年以上活動しているが20万円稼げたことはないかもしれない。お金欲しい。というわけで、そんな20万円を1時間でもらえるかもしれないデータ入力をしてみた! 全然怪しくないよ!!
・文化芸術活動の継続支援事業
そのデータ入力とは「令和2年文化芸術活動の継続支援事業」である。中国語なみに漢字が並んでいるが文字化けしているわけではない。これはコロナ禍に際する政府の施策で、簡単に言うと芸術家の活動を支援するためのものだ。
「芸術家」と言うと、それだけで食べている人を指すと思われがちだが、この支援の幅には、私のような零細バンドマンも含まれている。ちなみに、私のバンドマンとしてのスペックはざっくり言うと以下の通り。
・コロナ禍前は月一で下北沢や吉祥寺のライブハウスでライブをしていた
・週一くらいでリハをしている
・バンドのリリースは、最近は自主製作の音源を配信リリースするのみ
・1アルバムに1~2曲くらいのペースで作詞作曲をやってた
・JASRAC準会員
──正直、ガチでやってるバンドマンの中では底辺だと思う。今回の「文化芸術活動の継続支援事業」の募集は4回目なのだが、音楽業界での存在感が薄すぎる私が、支援なんて認められるわけがないと思って申請する前に諦めていた。どうせ認められないのに長い募集要項を読むのは面倒くさい。
だが、一般社団法人日本音楽作家協会(MCA)によると、私のようなバンドマンであっても結構支援が認められているという。ちなみに、MCAは支援事業の統括団体の1つ。要するに、本件について政府から事前確認を任されている団体である。
・申請してみた
そこでMCAに確認番号を発行してもらい申請してみることにしたわけだ。支援は、ケースによっていくつか用意されているが、私の場合、上限額20万円の「活動継続・技能向上等支援A-①」が適切なもよう。申請は全てオンラインで行える。
令和2年2月26日(水)~令和3年2月28日(日)の間の支出の3分の2または4分の3が補助されるこの支援。だが、そもそもそこまでの支出があっただろうか? 補助が大した額にならない可能性も大きい。自分の活動に疑問を持ちながらも、支出を打ち込んでいったところ……
余裕で20万円いった。
・補助対象に理解がある
DTMなど配信環境に関わるものが補助対象であることはもちろん、文化庁によると「リハ代もOK」とのことで、これがバンドマン的には相当デカイ。緊急事態宣言中は休んでいたにもかかわらず10数万円使ってる。
さらに、コロナ禍になってから2回くらいしかライブをしていないが、三重県認可のライブイベントに遠征した際のガソリン代や宿泊費までOK。インディーズバンドマン的に理解があると感じた。
そして、入力にかかった時間は20分ほど。私は事前にまとめていたのでそれくらいだが、そもそも申請ページのデータ入力の制限時間が1時間なので時給20万円と言っても過言ではない。
・事前確認団体の会長に話を聞いた
この支援に関しては、もちろん、事前確認団体を通さずに申請することもできる。ただ、今回、私がここまでスムーズに申請できたのは事前確認団体・MCAのサポートがあったからだ。
MCAは、ももいろクローバーZやHey! Say! JUMP、アニソンなども多数手掛けるエンドウ.さんが会長を務める新進気鋭の作家団体。大御所作家も多数在籍している。会長のエンドウ.さんに、団体と無関係のミュージシャンから本件の問い合わせが来た場合の対処について聞いてみた。
エンドウ.「まず、入会してもらって、次に支援申請の確認番号を発行する形になります」
──入会に条件はあるんでしょうか?
エンドウ.「MCAは音楽作家の団体なので、JASRACの信託者であるか、もしくは自分の作詞作曲した曲が第三者利用されているかを確認します。名前とか作品名を聞いて」
──確認番号の発行について、条件はありますか?
エンドウ.「条件というか、確認していることはありますね。『今までに音楽活動による収入がある』『過去3年間(2017年以降)において複数回、音楽公演を行ったことがある』『現在、当該分野で業務ができる能力がある』『コロナ以降も継続して音楽活動に携わる意思がある』この4点に全て該当しているかを聞いてます。
収入は金額の大きさは問わないので、少しでも芸術活動で収入を得ていれば大丈夫です」
──とのこと。少なくとも、ミュージシャンの仕事で20万円稼ぐことを考えたら、これを満たしているインディーズミュージシャンは数多くいることだろう。底辺の私からしても結構ゆるい条件な気がするがいかがだろうか。
・12月11日まで
なお、第4次「令和2年文化芸術活動の継続支援事業」の募集締め切りは2020年12月11日(金)17時00分までの予定。事前確認団体を通しての申請を考えている人は、確認などのやり取りもあるため早めに連絡することをオススメする。
最後に、「文化芸術活動の継続支援事業」はミュージシャンに対してのものだけではない。演劇、映画、漫才、落語、雅楽、歌舞伎、美術、写真などなど、様々な芸術がその枠に入る。
緊急事態宣言中、「海外は芸術文化の補助があるのに日本は芸術を支援しない」という内容のツイートが拡散された。今だに、そう思っている人や、支援のことを知らない芸術家にこそこの募集が届けばいいと思う。なお、補助の詳細や条件については、継続支援事業のページをご確認いただけると幸いだ。
参照元:令和2年文化芸術活動の継続支援事業、日本音楽作家協会(MCA)
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
中澤星児







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