2023年10月29日の午前5時24分に、今月の満月の瞬間がやってくる。見ごろとしては、28日の深夜から29日の日の出あたりまでとなる。

ネイティブアメリカンによる呼称はハンターズムーンだ。さらに29日の未明には部分月食も起こる。呼び名の由来や各地の天気など、お月見に有用な情報を詳しくお伝えするぞ!

・日の出前

満月の瞬間を迎えるのが29日の早朝ということで、気になるのは日の出の時間。国立天文台によると、29日の根室市の日の出は午前5時49分とのこと。

根室市が本土では最も東に位置するため、国内のほとんどの陸地での日の出は午前5時49分よりも遅い。北方領土や南鳥島辺りにいる人を除けば、だいたい暗いうちに満月の瞬間を見ることができると思われる。

別にパーフェクトな満月でなくとも、ほぼ満月くらいで十分だという方は、28日の夜はもちろん、何なら29日の夜でもいいだろう。

・ハンターズムーン

ネイティブアメリカンによる呼称はハンターズムーン。北米最古の暦系メディアThe Old Farmer’s Almanacによると、この呼称は冬に備えて狩りに出る時期の合図となる満月だったからと考えられているそう。

狩りの対象となる動物たちも、ちょうどこの時期に冬に向けて肥え始めて狩り頃になるというのもあるもよう。


ちなみに現代のアメリカでも、クマや鹿、エルクなどを対象とした火器を用いるハンティングの解禁日は、多くの州で9月後半から11月冒頭辺りにかけてとなっているぞ。興味のある方は「firearms hunting season open」等でググってみるといいだろう。

狩りな気分じゃない方のために、その他の呼称もいくつか紹介しておこう。収穫した米を乾燥させて備蓄する時期でもあることから「Drying Rice Moon(米乾燥ムーン)」、木々の葉が落ちるシーズンなので「Falling Leaves Moon(落葉ムーン)」、そして渡り鳥が越冬のため南に飛び去る時期ということで「Migrating Moon(移住ムーン)」などがあるもよう。

日本ではアメリカほど狩りがコモンではない。対して米の乾燥や落葉、鳥の移住は、まあまあ身近。これ等の呼称の方が、日本にはあっているかもしれない。


・部分月食

ぶっちゃけ今回の満月で最も人々の関心を集めるのは、呼び名云々よりもこっちかもしれない。部分月食だ

国立天文台によると、食が始まるのは29日の午前4時34分ごろとのこと。食の最大は午前5時14分ごろで、午前5時53分ごろに終わるもよう。

その時間の月は、だいたい西の空にある。ほぼ月の入りの直前(東京)に月食が終わるタイムスケジュールだ。全行程を観測したい方は、西側に遮るものが無い高台に登るのがいいだろう。


・天気は

最後に気になるのが各地の天気。27日23時時点での気象庁による天気予報を見ると、晴れそうなのは東京より南の太平洋側ばかり。


北の方と日本海側は、曇か雨でほぼ全滅……! だが諦めるのはまだ早い。満月は、多少曇っている程度であれば、雲の切れ間から見える可能性は無くもない。

天気予報の結果が微妙な地域の皆さんも、明らかに雨などでない限り、とりあえず外に出て月を探してみてはいかがだろう。

参考リンク:国立天文台[1][2]、気象庁The Old Farmer’s Almanac
執筆&写真:江川資具
ScreenShot:気象庁