5月の満月の日がやってまいりました。先週あたりから話題になっていたのでご存じの方も多いかと思いますが、今回はただの満月ではありません。

まず、1年で最も月が地球に接近するスーパームーン。さらに、月が地球の影に隠れることで生じる皆既月食も見られるという超豪華特別版! 皆さんがより確実に見られるよう、超重要なことを順を追ってお伝えします。

・月の出の時点で欠けている

まずは月の出の時刻から。今の時期であれば、より南東にある地域ほど月の出の時刻が早くなります。例えば本土では南東寄りな千葉が18時37分で、東京は数分遅れて18時39分ごろと早め。対して札幌は18時53分で、福岡は19時13分と遅めです。

国立天文台の「今日のほしぞら」が便利ですので、お住まいの地域に設定してチェックしてみてください。いざ月の出の時刻を迎えると、多くの場所において「すでに欠けている満月」が南東に顔を出すでしょう。

その状態はまだ部分食です。「皆既食が始まっちゃってる……ッ!!」と慌てなくても大丈夫。国立天文台によると、皆既食のスケジュールは全国共通で以下の通り。


20時9分ごろに皆既食スタート

20時18分ごろに食の最大

20時28分ごろに皆既食終了


・めちゃくちゃ低い

ちなみに、部分食は18時44分ごろ(多くの場所で月の出前)から始まり、皆既食を経て、21時52分ごろに終了するそうです。皆既食の最中は月が赤く見えるので、部分食と皆既食での色の変化に注目するのも面白いでしょう。


オッケ―、とりあえず20時ごろに空見上げるわ(笑)


そう考えたあなた。それは死亡フラグかもしれません。皆既月食となる時刻の月は、まだ南東のかなり低めの位置にあります。角度にして10度~20度程度。

わかりやすく言えば、腕を水平にしっかり伸ばした状態の握りこぶし1個~2個分程度の高さ(握りこぶし1個で約10度)。いかに低い位置か、なんとなくお分かりいただけるかと思います。


南東方向によほど開けた場所でなければ、建物や地形に隠されてろくに見えないという事態は大いにあり得るかと。ということで、確実に見るために超重要なことをお伝えします。


事前に握りこぶし1個分程度の高さの空が見える場所を探しておけ!!! 見逃しても知らんぞ――――っ!!!


気持ちとしては、月の出を見るくらいで丁度いいかもしれません。あるいは日の出でも同じようなものでしょうか。とにかく南東方向の、水平線なり地平線付近が見えるようなスポットの目星を事前につけておくことを、強くお勧めします。


・フラワームーン

スーパームーンの皆既月食ということでお腹いっぱいぎみなのか、忘れられがちではありますが……毎度恒例のアレもお伝えします。そう、ネイティブアメリカンによる呼称です。

5月の満月は、フラワームーン。理由は、北アメリカでは様々な植物が花を咲かせるシーズンだから。スーパームーンなフラワームーンが皆既月食ということで、今回に限っては「スーパーフラワームーン トータルエクリプス」みたいな感じでしょうか。強そうですね。


・天気は

最後に各地の天気予報もチェックしておきましょう。気象庁によると、どうやら東北の一部と九州、那覇は雨の予報が出ているようです。その他はおおむね晴れるもよう。


ちなみに、次にスーパームーンが皆既月食となるのは12年後です。晴れの地域にお住まいの皆さんは、是非とも事前に見えそうなスポットを確保し、赤黒い満月を堪能してください。

参考リンク:国立天文台[1][2]、気象庁The Old Farmar’s Almanac
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.
Schreenshot:気象庁