2023年11月27日は、11月の満月の日。ネイティブアメリカンによる呼称は「ビーバームーン」だ!

国立天文台によると、満月になるのは18時16分。昼間の時点での天気予報だと、今夜はお月見できそうなエリアが多そうだぞ! 詳しくお伝えしよう。

・ビーバーの毛皮

なぜ11月の満月はビーバームーンなのか? なんとなく予想がつくと思うが、それはビーバー狩りのシーズンを示す満月だから。

北米最古の暦系メディア The Old Farmer’s Almanacによると、ネイティブアメリカンたちはちょうどこの時期に、冬用の巣に籠りがちになったビーバーを罠にかけて、毛皮をとっていたもよう。

実はビーバーの毛皮とネイティブアメリカンの関係は深い。彼らにとって、ヨーロッパ人の参入以前から、それなりに有用なアイテムだった。寒さをしのぐため身にまとうだけでなく、他の部族との交易品としても需要があったのだ。

しかしヨーロッパ人がやって来てしばらくすると、毛皮の価値は急上昇。ビーバーの毛皮がヨーロッパ全域で流行し、交易商たちが買い付けまくったのだ。

ネイティブアメリカンたちにとって、ビーバーの毛皮は魚などよりも大きな利益をもたらす、超重要なアイテムとなった。

哀れなビーバーは狩られまくり、フランスとイギリスが毛皮の利益を目当てにネイティブアメリカン同士の争いに介入。ビーバー戦争と呼ばれる争いが起きてしまった。

ヨーロッパに輸出されたビーバーの毛皮は様々なアイテムに加工されたが、特に注目すべきはビーバーハットと呼ばれる帽子だろう。

実際に当時ビーバーの毛皮貿易に関与していたハドソン湾会社のHP(英語)に、その辺りの歴史が書かれている。

毛皮をフェルト状に加工して作るもので、三角やら四角やらと、さまざまなスタイルのものがヨーロッパ全土で流行していたようだ。

しかし乱獲によってビーバーの数は減少し、毛皮の産出量も減ってしまう。また、より安価でスタイリッシュなシルクの帽子、つまりシルクハットが流行するなどした結果、ビーバーハットは衰退していったそう。



・ビーバームーン

そんな感じで、歴史的にも色々あったネイティブアメリカンとビーバーのムーンだが、日本各地での本日の月の出の時刻は以下の通り。


根室:15時19分
札幌:15時38分
東京:16時08分
大阪:16時29分
福岡:16時53分
石垣島:17時42分


先に記した通り満月の瞬間は18時16分。社会人的には退社できているか微妙な早めの時間だが、日本のどのエリアでも満ちるのは月の出以降なもよう。


・天気は

最後に気になるのは各地の天気。気象庁によると、今日は北海道南東部、関東全域、そして北部を除く九州全域が晴れの予報。


東北や関西、九州北部などは、残念ながら雨の予報。しかし満月は曇りでもワンチャンあることから、日本全国でお月見ができそうなエリアは多めと言っていいのではなかろうか。

お月見をする方は、防寒対策をしたうえで満月を眺めつつ、ビーバーに思いをはせてみてはいかがだろう。

参考リンク:国立天文台気象庁The Old Farmer’s Almanacハドソン湾会社
執筆&写真:江川資具
Screenshot:気象庁